仙台市内の隔離ホテルに入って3日目。新型コロナウイルス「N501Y」変異株に感染したとみられる男性会社員(25)=仙台市=は、猛烈なせきに襲われ始めた。4月26日に発症し、28日からホテル療養に入っていた。
親しい友人とのテレビ電話が、孤独を紛らす楽しみだった。だが、30日夜はしゃべるとせきが出た。電話を切って横になると、余計に止まらなくなった。
「一呼吸するたびにせきが出て治まらなかった」。常駐する看護師からもらったせき止めも効果はなかった。
熱は38度台。眠ったのは翌5月1日の午前3時ごろか。「せき込み、気を失っていたように思う」。目覚めると、パジャマは汗でぐっしょり。食欲も湧かなかった。
症状はさらに悪化した。看護師に医師の往診を頼んだが、「入院調整チームに伝える」と言われたきり、そのままだった。
昼間は比較的せきが出ないが、過ごし方に難儀した。常駐する保健所職員から「過度の刺激はストレスを助長する」と、新型コロナ関連のネット検索を控えるよう助言された。「『外に出てはいけない』という心の負担が大きかった」
「気の毒だ」「かわいそうに」。会員制交流サイト(SNS)を通じて届く友人からのメッセージにも傷ついた。「考え方が全てマイナス。軽いうつ状態だったかもしれない」
精神的に追い込まれていく中で、自分の濃厚接触者になり、自宅待機を余儀なくされた2人の幼なじみがSNSにくれた軽口に助けられた。「迷惑掛けられたから、お酒おごってよ」。2人とその家族が陰性だったのが救いだった。
1日の晩も夜通し激しいせきにさいなまれたが、2日になっても受診はかなわない。「もう少し我慢してほしい」と看護師に言われた。当時、宮城県内は第4波の減少が続き、仙台医療圏の病床使用率は3割ほどだったが、調整がつかないようだった。
2日夜、せきの症状がピークに達した。横になるとせき込み、いすに座っては治まるのを待つ-の繰り返し。とうとう一睡もできないまま朝を迎えた。
3日午後になり、ようやく入院できると連絡が入った。移送された市内の総合病院で肺炎と診断され、新型コロナ治療薬の点滴を受けると、うそのようにせきがやんだ。8時間近く熟睡できた。
家庭内感染した50代の母と20代の姉は、ホテル療養のみ。50代の父は入院したが、軽症で済んだ。男性の症状だけが、ひときわ重かった。
「ひどい風邪などというレベルではなかった」。殺風景なシングルルームで三日三晩、せきに苦しんだ体験は思い出したくない。
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