ファスト映画、10分でネタバレ 「効率」求める視聴者も 投稿者、全国初の逮捕

「#ファスト映画」を検索したユーチューブの画面(画像の一部を加工しています)

 「ファスト映画」の動画投稿サイトへの公開を巡り、著作権法違反の疑いで宮城県警が男ら3人を全国で初めて逮捕した。ファスト映画は、1本の映画を10分程度に圧縮して内容を紹介する動画コンテンツの総称で、「ファストシネマ」とも呼ばれる。映画全編を公開するわけではないが、2020年春ごろから「ユーチューブ」などへの投稿が目立つようになった。
 ファスト映画の多くは映像や静止画を無断で使用し、字幕・ナレーションを付けてストーリーを明かす「ネタバレ」。コンテンツによっては数百万回も再生され、投稿者は多額の広告収入を得ているとみられる。背景には、若い世代を中心に映画や書籍を時間をかけずに楽しみたいという需要の高まりがある。
 映画などの著作権者でつくるコンテンツ海外流通促進機構(東京)によると、ファスト映画の被害額は約956億円に上る。この1年間で少なくとも55のアカウントから2100以上の動画が投稿され、数百万回再生された動画もあった。

「被害、容易に拡大しやすい」

 著作権に詳しい福井健策弁護士(第二東京弁護士会)はツイートで「身元を解明する対処法は進化しているが、どうしても現実の摘発までにはタイムラグがあり、被害が億単位の視聴へと容易に拡大しやすい。投稿者側にとっても『在宅で手軽に、実刑レベルや億単位の賠償レベルの責任を負ってしまうこと』を意味する。犯罪による賠償義務は、自己破産しても免責されない可能性が高い。投稿者側にとっても高リスクであることが、十分理解されていない」と指摘する。
 コンテンツ機構は「(ファスト映画を)視聴する行為は犯罪者に間接的に収益を与え、さらには作品を作る権利者の利益を損ねている。安易な視聴は控えてほしい」とコメントを出した。

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