宮城と福島、小選挙区1減 衆院比例東北も 国勢調査から試算

 総務省は25日、2020年国勢調査の速報値を公表した。衆院選挙制度改革関連法で導入が決まった「アダムズ方式」で試算すると、衆院小選挙区の定数は15都県で「10増10減」となり、東北は宮城は6から5に、福島は5から4に1ずつ減る。比例代表の定数も全国が「3増3減」で、東北ブロックは13から12に1減る。

[アダムズ方式]選挙制度で各地域に議席定数を配分する方法の一つ。人口比を正確に反映しやすい。米国のアダムズ第6代大統領が提唱したとされる。小選挙区の場合、各都道府県の人口を「ある数X」で割り、商の小数点以下を切り上げて定数とする。都道府県の定数の合計が総定数と等しくなるようXの値を調整する。2009年衆院選を巡る11年の最高裁判決は、都道府県にまず1議席を与え、残りを人口比で割り振る「1人別枠方式」を1票の格差の要因として廃止を要求した。16年に成立した衆院選挙制度改革関連法により、20年国勢調査の結果に基づきアダムズ方式を導入することが決まった。

 新たな定数と区割りは、秋の実施が濃厚な次期衆院選では手続きが間に合わないため、適用は次々回以降の見通し。

 選挙区別人口の少なさから、宮城では4~6区、福島は3、4区を中心に区割りが再編される可能性がある。両県の定数見直しは前回15年の国勢調査から取り沙汰されており、政党関係者からは「いよいよか」との声が漏れた。

 自民党宮城県連の菊地恵一幹事長は「今は白紙の状況」と言及を避けた。別の県連関係者は、仙台市より北にある全21市町村が4~6区という地理的な特徴から「どの海と山を境にばさっと区切られるか分からない」と不安を口にした。

 立憲民主党にとっては、宮城の小選挙区で5区が唯一の議席となる。坂下賢県連副代表は「驚きはない。どんな区割りでも気を引き締めて戦う」と話す一方、4~6区は変更が繰り返された経緯を踏まえ、「有権者が戸惑わないよう、せめて同じ自治体が複数の選挙区にまたがらないようにしてほしい」と注文した。

 東京電力福島第1原発事故からの再生を急ぐ福島県。小選挙区で3議席を占める自民県連の渡辺義信幹事長は「現状の人口減をしっかり受け止めなければならない」としつつ、「人口の要素だけで議員定数を決める手法は限界が来ている」との見方を示した。

 2議席を持つ立民のベテラン県議は「ルールだから仕方ないが、ただごとじゃない」と受け止める。現職の議席維持に向け、小選挙区と比例で候補者を入れ替えるコスタリカ方式も視野に入れるが、「まずは目先の衆院選だ」と見据えた。

 比例東北に1議席を有する公明党宮城県本部の幹部は「国勢調査に基づくのでコメントしにくい」と話した上で、「地方の課題は減っていない。地方の声が政治に反映されなくなってはいけないと率直に思う」と強調した。

 同じく1議席を得ている共産党宮城県委員会は今回の1減を「大きな混乱」と指摘。「ぎりぎりで1議席を取れているのが現状。まだ定数13の次の戦いで、結果を出すことが次につながる」と引き締めを図る。

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