月山の登山者に発信器貸し出しへ 警察と開発会社連携

寒河江署に無償提供された「ココヘリ」の発信機8台(右)と受信機2台

 出羽三山の一つ、月山(1984メートル)の山開きの7月1日、山形県の地元団体が登山口で登山者に位置情報を示す小型発信機の貸し出しを始める。管内に月山がある寒河江署も、遭難者の捜索用に機器を開発した民間会社と連携協定を締結した。本格化する夏山シーズンに、大切な命を守る対策を強める。

 周辺5市町村でつくる「月山フォーラム」が、登山届けの提出を条件に4カ所の登山口で貸し出す。レンタル料は1100円。月山では毎年遭難が相次ぎ、昨年は6件発生し、2人が行方不明のままだ。
 機器は全国で会員制遭難者捜索サービス「ココヘリ」を提供する福岡市の企業「AUTHENTIC JAPAN」が開発した。発信機は縦6センチ、横4センチで重さ20グラム。持ち歩き式の親機で電波を受信して位置情報を特定し、捜索者までの距離と方角を表示する。
 16キロ離れた場所まで探知が可能。携帯電話での位置情報取得に比べ、基地局や衛星を経由しない分、ずれが少ないという。発信機は1回の充電でバッテリーが約2カ月持続する。
 寒河江署は月山での貸し出し開始に合わせ、同社に協定締結を打診。親機2台に加え、2次遭難のリスクを減らすため、捜索隊員が持ち運ぶ発信機8台の無償貸与を受けた。
 締結式は同署で21日にあり、管内の山岳救助隊員ら19人が署の敷地内に隠した発信機を探し出すなどして使い方を学んだ。隊員の一人は「これまで目視で探していたが、正確な位置が分かれば効率が上がる」と期待する。
 岡崎浩隆署長は「捜索ツールを増やすことで、早期発見につなげたい。一人でも多く発信機を持って入山してもらえるといい」と話した。同社の八木沢美好専務は「救出のために機器を役立ててほしい」と語った。

寒河江署の敷地内を捜索現場に見立て、操作方法を学ぶ山岳救助隊員ら

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