蒸し蒸しする日は食欲がない。さすがのいやすこもだ。そんな2人の足が向いたのは、仙台市青葉区福沢町にある国産大豆専門「兎豆屋(とまめや)」で、2年前には豆腐日本一にもなったお店。そこには「づんだおぼろ」なる季節商品があると知り、今日はこれしかない!とやって来たのだ。
大きな通りを行くと「兎豆屋」の文字が見え、ガラス戸を開けると右手のケースには「シロメ絹豆腐」「ブレンド木綿」「たまおぼろ」などなど。おいしそうな豆腐たちを見れば、食欲がないなんてどこへやら(笑)。
奥から出てきたのは安達圭介さんで、渡された名刺にある豆腐職人になったきっかけから伺う。元ウェブ系の仕事をしていた安達さんは、ものづくりの職人に憧れるようになり、木工や鍛冶の職人を考えていた。
と、ネット上で「豆腐職人見習い募集」に巡り合う。「考えてみたら、豆腐が好きで毎晩食べていたんです」。まずはその豆腐店の豆腐を食べてみようと取り寄せてみたら、「あまりにもおいしくて、諦める理由がなくなったんです。諦めるために取り寄せたのに」と笑う。「食べる前からおいしいと分かりました。豆腐を切る時、包丁がスッと入るのではなく、刃に吸いつくというか…それは、おいしい証拠です」
その後は豆腐職人のことが頭から離れず、結局は東京の下町・葛飾区の豆腐店に修業へ。「1回は説明してくれるけど、あとは見て習う、見習い修業。豆腐作りはやり直しがききませんから、常に一発勝負の緊張感があります」
尊敬する師匠から学び、仙台に戻ってオープンしたのが2014年7月。「翌年には、このづんだ豆腐は商品として出しています」。づんだ豆腐が、全国豆腐品評会の東北大会で最優秀賞をとったのが18年で、翌年には「おぼろ豆腐」で日本一に輝いているというのだから、豆腐好きで職人に憧れた安達さんが、いかに精魂を傾けて豆腐作りをしてきたかが分かる。
実は、取材の数日前にガラス越しに豆腐作りをする姿を拝見し、コワそうに感じたので、今日穏やかに挨拶する安達さんに、あれっ、違う人?と思った。そう打ち明けたら、「あぁ、お客さんにも、怒ってるみたいと言われたことがあります。作り方を数字で覚えたわけじゃなく、いつも様子を見ながら考えているからかなあ」。
そんな取材中にもお客さんは次々と。なんと男性が多いのだ。何種類か購入した方が、「ここのはおいしいよ、太鼓判だよ」と言いながら帰っていく。
毎日12時間ほど働くという仕事場も見せていただく。清掃され、道具もピカピカで、新品かと思いきや「五橋にあった伊藤とうふ屋さんがやめられる時に譲り受けました。上村豆腐屋さんの紹介でした」と豆腐店のつながりも見え隠れする。
買ってきたづんだおぼろを切ってみた。おぼろなのに「あっ、吸いつく感じ」。食べると豆の味がしっかりして、そこにづんだが香る。安達さんの「大豆を一粒一粒大切に思っています」という言葉がよみがえる。お薦めの塩をつけて食べると、味わいがふわっと膨らんだ。
おぼろ豆腐は、大豆を加熱して搾った豆乳ににがりを入れ、型に移す前の寄せた状態のものを器に入れた豆腐。寄せ豆腐、汲み豆腐とも呼ばれる。この寄せた状態のものを、ざるに盛ったのがざる豆腐。水にさらさないため大豆の香りがより強く感じられ、とろけるようなやわらかさが特徴である。
豆腐は植物性タンパク質や脂質が豊富なだけでなく、体を調節して健康を維持増進させる「機能性食品」としても注目されている。
買ったら早めに食べきるのが一番だが、残った時は保存容器に水を張り、塩ひとつまみを入れてふたをし、冷蔵庫のチルド室に入れ、毎日水を替えれば3、4日保存できる。また、使いやすい大きさに切って金属トレーに並べて冷凍し、凍ったら冷凍用保存袋に入れる。未開封ならパックのままでもよく2、3週間は保存可。冷凍した豆腐は、自然解凍して水気を絞れば使える。
兎豆屋さんのづんだおぼろは季節商品で、7月末まで販売の予定。
土地には、その土地ならではの食があります。自他共に認める「いやすこ(仙台弁で食いしん坊のこと)」コンビ、仙台市在住のコピーライター(愛称「みい」)とイラストレーター(愛称「画伯」)が、仙台の食を求めて東へ、西へ。歩いて出合ったおいしい話をお届けします。
土地にはその土地ならではの食があります。自他共に認める「いやすこ(仙台弁で食いしん坊のこと)」コンビ、仙台市在住のコピーライター・みうらうみさんとイラストレーター・本郷けい子さんが仙台の食を求めて東へ、西へ。歩いて出合ったおいしい話をお届けします。
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