<高校野球宮城大会 躍進誓う3校紹介>仙台商 伝統の機動力に磨き

シートノックで守備を磨く選手たち=仙台商高

 第103回全国高校野球選手権宮城大会は7日、楽天生命パーク宮城(仙台市宮城野区)で開幕し、71校66チームが甲子園出場を目指して熱戦を繰り広げる。地域や関係者の期待を受け、躍進を誓う3校を紹介する。

 「カットー!」。守備練習に打ち込む球児の声がグラウンドにこだまする。仙台商野球部は今年、創部100周年を迎えた。伝統の機動力を生かした野球に磨きをかけ、節目の年の甲子園出場を目指す。
 野球部は1921年、部員10人で創部した。67年春には甲子園に初出場し、春夏合わせて4度、甲子園の土を踏みしめた。1500人を超えるOBからは、八重樫幸雄さん(70)=元プロ野球ヤクルト、横浜市=ら3人のプロ選手も生まれている。
 長い歴史の中で、さまざまな伝統が築かれた。監督は歴代15人のほとんどがOB。毎日の練習前にはOBがつくった12項目の部訓を選手全員で斉唱する。卒業後に就職したOBが初任給で試合球1ダースを寄贈するのも恒例になっている。
 「歴代の部員が一年一年、全力でやってきたことの積み重ね」。下原俊介監督は100年の重みをかみしめる。
 変わらないのは戦い方も同じ。足や犠打といった小技を駆使して1点をもぎ取り、バッテリーを中心に守り勝つ野球を掲げる。
 日々の練習にそれが如実に表れている。最も時間を割くのはシートノック。走り込みは塁間を意識し、短距離を中心とする。打撃練習では「ボールをしっかり見るという意識付けのため」(下原監督)、1球目は必ずバントから入る。
 伝統の守り勝つ野球の中心は主戦右腕斎賢矢(3年)。140キロ台の直球と縦横2種類のスライダーが武器で、打者の内角を突く強気の投球が持ち味だ。
 春季県大会では柴田を相手に好投したが、終盤に勝ち越され「体力のなさを痛感した」。スクワットや走り込みで下半身を鍛え、夏に雪辱を誓う。チェンジアップやカーブなどのレベルアップにも手応えを感じている。
 継投の計算が立つようになったことも心強い。一塁手で188センチ左腕の宮沢太陽(3年)は6月の東北学院との練習試合で6回2安打の好投を披露した。183センチ右腕の柳沢友哉(3年)も直球に力がある。
 最後に全国大会に出場したのは、元号がまだ昭和だった1983年夏。「長いトンネルの中にいる。節目の年に良い結果を出したい」と下原監督。斎も「節目に部の歴史を変えられるような投球をしたい」と頂点を目指して気持ちを高めている。

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