乳幼児はRSウイルスに注意! 特効薬なし、早急に受診を

川村和久院長

 乳幼児が肺炎や細気管支炎にかかる恐れのある「RSウイルス感染症」が宮城県内で急拡大し、県が注意喚起しました。感染拡大の原因や主症状、幼稚園や保育園に登園が可能になるタイミングなどについて小児の感染症が専門の「かわむらこどもクリニック」(仙台市青葉区)の川村和久院長に聞きました。
(編集局コンテンツセンター・佐藤琢磨)

 Q RSウイルス感染症の主な症状を教えてください。

 A 風邪と同様で、鼻水や発熱、せきです。乳幼児はせきで嘔吐(おうと)したり、呼吸が苦しくて哺乳できなくなるなど重症化する恐れがあります。一般的には秋から冬にかけての時季に流行し、子どもの約70%が3歳までに罹患(りかん)します。

 その後も繰り返し感染しますが、初めて感染した年齢が低いほど重症化する傾向があります。成長とともに症状は軽くなっていきます。大人になっても感染しますが、症状の見かけは風邪と区別がつきません。

 Q 今年は夏場の今、流行しています。原因は何でしょう。

 A 今年は5月ぐらいから流行が始まり、幼稚園や保育園では集団感染の報告もあります。例年に比べ流行が早いのは新型コロナウイルスと関係しているといった説もありますが、因果関係は不明です。気掛かりなのは昨年はRSウイルスが流行しなかったこと。免疫がない子どもが多いということは今後、さらなる流行の拡大が懸念されます。

 Q 受診するかどうかを見極めるポイントは。

 A 昨今、風邪の症状が出ると新型コロナ感染症が思い浮かびますが、コロナを恐れるあまり子どもの受診を控えることはないようにお願いします。特に生後3カ月未満は重症化することがあり、風邪のような症状があったら早めの受診を心掛けてください。「ぜーぜー、ひゅーひゅー」といった苦しげな呼吸など、症状の悪化が見られる場合は早急に受診してください。

 Q どんな治療になりますか。

 A RSウイルス感染症に特効薬はありません。熱を下げ、鼻水やせきを和らげる対症療法に加え、吸入や点滴を行うこともあります。細気管支炎が重症化している場合は入院が必要になります。

 Q 予防する方法はありますか。

 A 風邪のように見える兄や姉のような年長児や大人からも感染しますし、幼稚園や保育園などの集団生活で感染が広がるため予防はとても困難です。特に乳幼児はマスクや手洗いが難しいこともあり、周囲が消毒や手洗い、うがいといった対策を講じることが大切です。

 Q 回復後、幼稚園や保育園などに登園させるタイミングを教えてください。

 A インフルエンザと異なり、登園停止などの基準はありません。ただ、RSウイルスは感染力が強いので、熱が下がったら即日ではなく、余裕を持って少し休ませてから登園させてください。

河北新報のメルマガ登録はこちら
新型コロナ関連

企画特集

先頭に戻る