被災地の10年を議論 全国経済同友会、仙台でシンポ

 全国の44経済同友会の会員が、東日本大震災の被災地支援に取り組んだ10年間を振り返り、残された課題について議論するシンポジウムが4日、仙台市青葉区のホテルで開かれた。会員の経営者ら約200人が、現地やオンラインで参加。人口減が進む被災地の将来について意見を交わした。

 全国の経済同友会は岩手、宮城、福島3県の実業系高校に実習機材などを贈るプロジェクトとして、送迎バスや旋盤、水産加工施設など約21億8000万円分を寄付。震災時に経済同友会代表幹事だった長谷川閑史(やすちか)終身幹事は「復興を担うのは人。特に若者が活躍する舞台を整えるのが同友会の役割だった」と話した。

 震災翌年から7年間、宮城県教育長を務めた仙台大の高橋仁学長は「支援は実習機材がなく、途方に暮れていた生徒の励みになった」と感謝。石巻工高野球部で主将を務め、2012年の選抜高校野球大会に出場した生徒が今春、県立高教員となったことを紹介し「支援を受けた生徒が活躍し始めている。今後も社会貢献することで恩返しする」と涙ぐみながら報告した。

 仙台経済同友会の大山健太郎終身幹事は人口減が進む現状を指摘し「人材がいない中でものづくりは厳しい。若者が住みやすいまちづくり、若者が定着するまちづくりに取り組む」と強調した。

 福島経済同友会の阿部隆彦代表幹事は、震災前からものづくりが盛んだったという地域の特長を復興に生かす必要性を強調。「航空機や宇宙、医療、ロボット、水素の産業の芽吹いている。最先端の研究者が定住し、関連企業が進出するといい」と青写真を示した。

仙台市内で開かれた経済同友会の東日本大震災10周年追悼シンポジウム
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