仙台七夕復活「意味ある」「客足疑問」 観光関係者、喜び半分

コロナ禍前のまつりの様子。商店街を彩る吹き流しが今年は4分の1程度に減ることになる=2019年8月、仙台市青葉区一番町4丁目

 杜の都に夏の風物詩が帰ってくる。2日、縮小開催する方針が決まった仙台七夕まつり。新型コロナウイルスの感染収束は見通せないが、昨年は戦後初の中止に沈んだ商店街、観光関係者は「地域の明るい話題」「夏祭りの最後のとりで」と一様に復活を喜ぶ。一方、「縮小」という判断への疑問や、感染防止対策の難しさを指摘する意見も根強い。

 例年、工夫を凝らした七夕飾りで知られるお茶の井ケ田(仙台市青葉区)。井ケ田健一社長(39)は「規模縮小は残念だが、中止が続けば復活は厳しい。まつりの継続には開催することが大切だ」と受け止める。

 一番町一番街商店街から6月にクリスロード商店街に移転して初めて迎える今回、飾りを製作しない。「来年以降、通常のまつりに戻るなら、また掲出したい」と意気込む。

 「中途半端な印象。観光客に『仙台七夕はこんなものか』と思ってほしくないが、そもそもどれくらい観光客が来るのか」と話すのは、一番町四丁目商店街振興組合の工藤浩由専務理事(49)。

 コロナ対策についても「食べ歩きをする客にどこまで協力を要請できるか」と難しさを口にする。従来の歩道に青竹を刺す形では高さ2メートル以上に掲げられないため、アーケードにワイヤでつるすという。「満足してもらえるよう最善の準備をしたい」と話す。

 利用客の激減に苦しむ宿泊業界は、まつり開催に活路を見いだす。「他県の祭りが中止になる中、思い切った決断だ。地域の人々にとって明るい話題になる」。ホテルメトロポリタン仙台(青葉区)の林健一総支配人(63)は歓迎した上で「仙台七夕は参加型の祭りと比べて感染リスクは低い」と語る。

 例年200万人余りを集めた仙台七夕。まつり協賛会幹部は今回、4分の1程度に人出が減るとの見通しを示す。それでも東北観光推進機構の紺野純一専務理事は「規模縮小でも、観光産業にとってはありがたい」と話す。

 青森ねぶた祭(青森市)、秋田竿燈まつり(秋田市)などは相次ぎ中止を決めている。「仙台七夕は最後のとりで。2年連続で全ての東北の夏祭りが中止になれば、観光関係者や商業者の失望感は大きかった。七夕見物から県内、県外への旅行と、次につながっていけばいい」と期待を込めた。

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