「ワクチン接種者が感染源に」「副反応の死者多い」真偽不明の情報交錯 メーカーは否定

ワクチン接種を巡り、真偽不明の情報が飛び交う=6月21日、仙台市宮城野区のヨドバシカメラ仙台第2ビル(写真と本文は関係ありません)

 新型コロナウイルスのワクチン接種が加速する中、接種の危険性を訴える声がくすぶり続けている。「接種者から感染する」「副反応による死者が多い」などが主だが、感染の明白な証拠はなく、死亡との因果関係も不明だ。接種希望者からは戸惑いの声が漏れる。

整体院に「大切なお知らせ」

 仙台市内の整体院が6月上旬、「大切なお知らせ」と題した紙を院内に掲示した。コロナワクチンの安全性が確認されるまで、接種者に施術しないとの内容だった。
 整体院に数年来通う50代男性は「ここに来られなくなると腰の状態が悪化する」と心配する。7月下旬に接種を予定するが「接種者が増えれば来院者が減り、閉院に追い込まれかねない。(施術拒否は)考えが極端ではないか」と首をかしげる。
 院長の女性は取材に「米ファイザー社の公式文書に、ワクチン接種者が感染源になることを示す記載がある。何か問題が起きてからでは遅い」と説明する。
 院長のブログには、同様に主張する医師のウェブサイトのURLが掲載され、サイト内ではファイザーの治験手順書(プロトコル)の一部を紹介している。
 院長はブログで、接種者の呼気や汗から排出された抗原が他者に暴露(感染)した例がプロトコルに記されていると強調する。一方、ファイザーの広報担当者は取材に「プロトコルの誤った解釈だ。接種者から呼気や皮膚接触で抗原が他人に暴露される事実はない」と否定する。

因果関係認められず

 大規模接種向けの米モデルナ製も含め、ワクチンの安全性を疑問視する声の背景には、接種後の死亡例がある。厚生労働省によると6月18日までに接種後に亡くなったのは計356人。接種と因果関係があると判定された例はないが、全国の医師ら450人は同月下旬、接種中止を求める嘆願書を同省に提出した。
 青葉区で整形外科医院を営む後藤均医師(63)も嘆願書に名を連ねた一人。2月以降、ワクチンの危険性を指摘するコラムを医院のホームページに掲載するなどしている。
 「デマを流している」と市医師会に通報されたこともある後藤医師は「安全が担保されない危険なワクチンは打つべきではない」と主張する。だが、接種回避による感染リスク、感染者増加による社会的損失も見過ごせない。
 ワクチン接種を巡り、さまざまな媒体で真偽不明の多くの情報が飛び交う。河野太郎行政改革担当相は6月下旬、自身のブログで「ワクチンデマ」に惑わされないよう注意を促した。

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