新型コロナウイルスのワクチン接種で楽天グループが合同職域接種を始めるなど、宮城県内でも働く世代の接種が本格化しつつある。7月26日に2回目の接種を終えた40代男性記者に現れた副反応を報告するとともに、事前に準備しておきたいことをお伝えする。
(編集局コンテンツセンター・佐藤琢磨)
※8月27日、厚労省研究班調査を更新
※9月1日、妻の接種経過を追記
中肉中背で、既往症はない。家族は専業主婦の妻に小学校と幼稚園に通う娘が2人。心強いのは、副反応が出ても食事の準備や子どもの世話を妻に頼れることだ。職域接種で受けた6月28日の1回目は、米モデルナ製ワクチンが打たれた左肩に痛みが出た。それでも2、3日で治り、発熱などはなかった。不便だったのは洗髪する時に腕が上がらなかったことぐらい。
2回目は4週間後、7月26日の午後2時半すぎに受けた。2回目は副反応が出やすいと聞いていたので、上司に相談して翌日は休みを取得しておいた。接種後は前回と同じ左肩に痛みが出たが、体調は夜まで変化なし。「40代だし、こんなものか」と拍子抜けして眠った。
副反応が現れたのは接種翌日、27日の朝だった。寝苦しさを感じて目覚めると体が重く、体温は37・5度あった。その後、見る見る熱が上昇し昼頃には38・6度に。たまらず、事前に用意していたアセトアミノフェン系の解熱鎮痛剤を1錠服用した。
筋肉痛にも似た倦怠(けんたい)感が想像をはるかに超えて全身を襲い、ソファにもたれ体を起こしているのもつらいほど。トイレに行く以外、ほぼ一日中ベッドで横になっていた。ただ不思議なことに食欲は落ちず、家族と食卓を囲めたのは幸いだった。
接種から31時間、夜9時を過ぎても熱は治まらなかった。薬が効いていったんは下がったが、深夜に再び39・0度まで上がった。体が火照って、寝汗がびっしょり。眠りも浅く、30分から1時間おきに目が覚めては水分補給をした。
体調がすっかり戻ったのは接種後2日目、44時間がたった28日の11時。ほぼ平熱の36・7度に下がり、あれほどつらかった倦怠感もなくなった。
優しい上司から「無理せずに休んで」と許可をもらい2日目も休んだが、午後からは出勤も可能なのではないかと思えるほど回復した。夜になって接種部位が赤く腫れ上がる「モデルナアーム」が出たが、翌29日には赤みが引いた。
同じ日に2回目を受けた同僚の20代女性、30代男性の両記者もほぼ同じ副反応が出ていた。女性記者は熱が39・3度まで上がり2日間、男性記者は38・6度で翌日休んだ。自分と違ったのは食欲の有無で、2人は飲み物以外のどを通らなかったそうだ。3人とも接種後2日目までに副反応は消え、体調も元に戻った。
男性記者2人は、妻がいるおかげで食事を準備したり買い物に出掛けたりする必要はなかった。夫が仕事で休めなかった女性記者は2日間、日中も一人で寝込んでいたという。
単身者や共働き世帯は接種翌日は休暇を取り、事前に解熱鎮痛剤や数日分の食料を準備しておいた方が良さそうだ。特に小さい子どもがいる世帯は、夫婦で同日に接種を受けることは避けてほしい。パートナーが接種した翌日は可能な限り休日を取り、家事や看護に専念したい。
解熱鎮痛剤の服用について、かわむらこどもクリニック(仙台市青葉区)の川村和久院長は「市販薬を準備しておき、熱っぽさや倦怠感、頭痛が気になったら早めに服用を。ただし、症状が出てから飲んでください。また、かゆみや痛みは患部を冷やすと症状が軽くなります」と話す。川村院長によると、解熱鎮痛剤の中でもアセトアミノフェンは比較的安全性が高く、子どもや妊娠中、授乳中の女性でも使用できるという。ただし、イブプロフェンやロキソプロフェンに比べて効果が弱いとされるそうだ。個人的には高熱が出ると寝苦しく、額に張る冷却シートや氷のう枕といったグッズもあるとなお快適だ。
川村院長によると、副反応は免疫反応の強い若い世代ほど出やすい傾向が確認されている。性別では女性の方が出やすい。もっとも副反応が出るかどうかは個人差があるが、接種予定が決まったら万が一に備えておきたい。
自分と一緒に接種を受けた同じコンテンツセンターの50代男性エンジニアは、副反応がほとんどみられず。念のため翌日は休みを取っていたが、2日目はすこぶる元気に働けたという。やはり個人差が大きいようだ。
8月上旬、妻が宮城県の大規模接種(仙台市宮城野区のヨドバシカメラ仙台4F)で1回目のモデルナ製ワクチン接種に臨んだ。
妻は40代前半。大きな病気はしていないが、貧血と片頭痛の持病がある。接種時間が午後8時半と遅かったため筆者は休日を取得せず出社し、午後7時ごろ早めに切り上げて帰宅。娘2人の世話を引き受け、妻を接種会場へと送り出した。
接種を終えて妻が帰宅したのは午後9時ごろ。腕の痛みを訴えたものの、発熱はなかった。夜間、腕の痛みで何度か起きていた。翌日も腕の痛みが残ったが、接種から3日目には普段通りの生活に戻った。
2回目の接種は、同月下旬の午後8時半。今回も帰宅後に接種部位の痛みを訴えて、午後10時ごろロキソプロフェン系の解熱鎮痛剤を飲んだ。服薬のおかげで熱は37度台前半までしか上がらなかったが、強い倦怠感が出ているようでぐったりと布団に入った。
筆者は宣言通り事前に休暇を取得し、翌日は家事に専念した。妻は発熱こそ37度台半ばでとどまったものの、倦怠感のため一日中横になっていた。食欲もなく、スポーツ飲料を飲んでは眠っての繰り返し。症状は夜まで変わらなかった。
接種後2日目、朝になっても妻は倦怠感でぐったり。ただ、食欲は少し戻ったようで家族全員で朝食を囲んだ。筆者は仕事のため娘を幼稚園に送り出し、最低限の炊事洗濯をこなして出社。午後からワクチン接種を終えた近くに住む妻の母に来てもらった。夕方になり妻の倦怠感は弱まったが、37度前後の微熱は続いた。
妻は2度目のワクチンを接種した時間が筆者(午後2時半)から6時間遅かったため、副反応が翌々日(48時間後)まで残った。今後ワクチンを接種するご家庭は、接種時間と副反応が持続する時間も目安として参考にしてほしい。
モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを接種した人のうち、2回目の接種翌日に約8割が37・5度以上の発熱があり、4割ほどが発熱などのため休暇を必要としたことがわかった。厚生労働省の研究班が調査し、25日に厚労省の専門家検討会で報告した。
調査対象はモデルナ製ワクチンを接種した自衛隊職員。2回の接種を終えた約3750人のうち、接種した翌日に78・4%の人が37・5度以上、61・9%の人が38度以上の発熱があった。接種後2日目にも約2割が発熱しているが、3日目にはほとんどが解熱している。
そのほか、接種翌日に倦怠感を感じた人は83・1%。接種部位の痛みが87・2%、赤みが25・5%、かゆみが13・3%、頭痛も67・3%だった。
2回目接種後に病休休暇(1日~5日間)を取得したのは37・1%の約1400人。うち接種翌日に休んだのは970人だった。
モデルナ製ワクチンの接種を受けたのは計1万3113人(20日午後3時現在)。年代は20代が19・9%、30代が30・5%、40代が35・0%、50代が14・5%、60代以上が0・2%。男性が95・5%、女性4・5%。
[※8月2日追記]
この記事については、読者の皆さまから大きな反響がありました。「2度目の接種後どうなるか知りたかった」という受け止めの一方で、新型コロナウイルスの感染拡大の中で「不必要にワクチン接種を怖がらせないでほしい」との指摘がありました。
記事はワクチン接種の意義を否定する意図で書いたものではありません。事前の休日取得や必要な備えといった知識を深めてもらうのが狙いです。
「感染拡大を防ぎ、自分自身を守るために接種は必要」と、ワクチンの効果を記者自身が認識したからこそ、希望して接種を受け、体験ルポを執筆しました。
専門家によると、副反応には個人差があるようです。今後、働く世代の接種が進むにつれ、どのような影響が出るのか、引き続き、注視したいと考えています。
(編集局コンテンツセンター長 山野公寛)
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