(6)七夕や叶ふと思ふ心美(は)し/南 十二国(1980年~)
こと座のベガは純白の星。わし座のアルタイルと熱い視線を交わし合う…と言いたいが、梅雨空ではベガの位置が低く、恋の逢瀬(おうせ)っぽくない。それもそのはず、本来七夕といったら旧暦7月7日、秋澄む時期で…
関連リンク
- ・(5)遠雷や蝶の来てゐる松静か/大峯 あきら(1929~2018年)
- ・(4)ふと言ひよどむ空蝉の数へ方/河内 静魚(1950年~)
- ・(3)ばんと言うてもぴゅうと出る水鉄砲/西野 結子(2002年~)
- ・(2)ここもまた誰かの故郷氷水/神野 紗希(1983年~)
- ・(1)山脈の一か所蹴つて夏の川/正木 ゆう子(1952年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。