(6)七夕や叶ふと思ふ心美(は)し/南 十二国(1980年~)

 こと座のベガは純白の星。わし座のアルタイルと熱い視線を交わし合う…と言いたいが、梅雨空ではベガの位置が低く、恋の逢瀬(おうせ)っぽくない。それもそのはず、本来七夕といったら旧暦7月7日、秋澄む時期である(当たり前か)。でも、今は21世紀、新暦の七夕も新暦の情感がある。掲句、「絶対会えなさそうだけど、叶(かな)わぬ願いの美しさってあるよね」と、何とも達観した詠(うた)いぶり。クールな現代の「七夕」なのだ。「俳壇」(2021年7月)より。
(浅川芳直)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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