宮城県で造られるワインはブドウだけが原料ではありません。イチゴの産地、山元町にある「山元いちごワイナリー」には、イチゴでできたワイン目当てに足を運ぶ観光客も多いとか。大型栽培ハウスが並ぶ農業生産法人「山元いちご農園」内のワイナリーを訪ねました。
(編集局コンテンツセンター・佐藤琢磨)
全国的にも珍しいイチゴのワイナリー。創設のきっかけは2011年の東日本大震災でした。
山元町のイチゴ農家だった社長の岩佐隆さん(65)は、津波で自宅やハウスを流されました。当時、町で県内唯一のワイン醸造所を営んでいた知人も失いました。醸造所はその後廃業しました。
岩佐さんは11年6月、被災した農業者4人でいちご農園を設立。栽培が軌道に乗ると、知人の遺志を継いで「この地でもう一度ワイン造りを」と立ち上がったのです。
知人の醸造所はブドウを原料にしていましたが、岩佐さんは農園のイチゴを使い、委託製造を経て16年から自社で醸造しています。
イチゴワインは、オレンジがかった濃いピンク色。イチゴジャムのような濃厚な香りとイチゴの味が広がります。
「イチゴのお酒」といえば、蒸留酒に果汁などを混ぜて糖分を加えたリキュールのイメージがありますが、岩佐さんは「全くの別物。原料がイチゴということを除けば、ブドウのワインと造り方は何も変わらない」と言います。
750ミリリットルのワイン1本に4パック分、約1キロのイチゴを使っているそうです。イチゴの糖度は10~12度とブドウより低く、そのまま仕込むとアルコール発酵に糖分を使い果たし、極辛口になってしまいます。そのため糖分を補い、控えめな甘さに仕上げました。甘みと酸味のバランスが良く、すっきりと飲めます。
農園スタッフが宮城大と共同開発したのは甘口、辛口、スパークリングなど5種類。19年は約1万本を販売しました。20年からは新型コロナウイルスの影響で生産量を絞っていますが、県の新品種「にこにこベリー」で造った「咲苺(さきいちご)」は1000本を完売しました。
ワインによって品種を変え、色や味わいに特徴を出しています。果皮と果肉が紅色の「紅ほっぺ」で赤い色を、「とちおちめ」や県独自品種の「もういっこ」で酸味を加えているそうです。岩佐さんは「将来は宮城生まれの品種だけでワインを造りたいね」と夢を描きます。
食事に合わせるなら紅ほっぺ、もういっこ、とちおとめをブレンドした「愛苺(まないちご)」(720ミリリットル2840円、360ミリリットル1850円)がお薦めの1本。煮魚や焼き魚、カキフライのほか、中華との相性が「抜群」で、白ワインと同じように飲んでほしいそうです。
今季のイチゴ狩りは6月で終了しましたが、農園併設のカフェではイチゴを使ったランチやスイーツを通年提供。スパークリング、デザートピザなど「イチゴずくめのメニュー」が楽しめます。
「イチゴワインなら食前から食中、食後まで楽しめるよ」と岩佐社長はアピールします。食事にもデザートにも合う風味豊かで甘酸っぱいイチゴワイン。ぜひお試しあれ。
大学9校のオープンキャンパス情報や先輩学生の声。仙台圏での生活情報も満載!
毎週木曜日・仙台圏で42.9万部発行の「河北ウイークリーせんだい」。歌ったり踊ったり楽しいキャンペーン実施中。抽選でプレゼントも当たります。
東北の未来に向けて、みんなで手を取り合い、様々な活動に取り組んでいます。
SDGsマインドの向上をはかるための「みやぎSDGsアンバサダー」育成プログラム活動を紹介中!
2022年度企画準備中!詳しくはWEBサイトへ
東北6県7新聞社が東北全体の活性化を目指し明るい未来の創造を目指します
みやぎの職場を元気に健康に!健サポフレンズも新規会員募集中
特選不動産情報(毎週金曜日更新)
仙台「四方よし」企業大賞
2022あしたのみどりキャンペーン
Job探:仙台・宮城の求人情報
みやぎのいいものご案内!47CLUB
宮城の赤ちゃんへ贈ります「すくすくばこ」好評受け付け中!
LINEスタンプ「かほピョンとなかまたち」
宮城県からのお知らせ
みやぎ復興情報ポータルサイト
杜の囲碁サロン
位置情報連動型スマホ広告サービス LocAD+(ロカドプラス)
Copyright © KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO.