五輪事前合宿 受け入れ厳戒態勢 防護服着用、食事会場は「教室型」に

イタリア選手団の受け入れに備え、PCR検査を受ける仙台市の担当職員=7日、市役所

 23日の開幕まで半月に迫った東京五輪で、宮城県内で事前合宿を張る各国選手団の日程がほぼ固まった。9日にポーランドのカヌー選手団を迎える登米市を皮切りにパラリンピックを含め、5市町が5カ国の計11競技に出場する選手団を8月下旬まで順次受け入れる。世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大を水際で防ぐ業務が重なり、関係者は厳戒態勢で準備に当たる。

 県内の事前合宿は表の通り。期間中に海外から選手計約115人、コーチや通訳らスタッフ計約100人が来県する。国の指針ではバスなどで出迎えた段階で自治体側が管理責任を負うとされており、「誘致当初は全く想定していない負担」といった不安の声は少なくない。

 「万が一選手に感染させてしまったら、予選出場はかなわなくなるだろうと思うと気が気でない」と打ち明けるのは、県内でトップを切る登米市の担当者。9日朝、空港で検疫を済ませたポーランドの36人を貸し切りバスで出迎える。

 市は選手と接触できる関係者を宿泊先を含めて計約40人に限定。滞在先では、スタッフに防護服の着用を義務付ける異例の措置を講じる。

 「防護服の姿で笑顔を交わしにくいのは残念だが、状況を考えればやむを得ない」と担当者。「誠意あるサポートは、コロナを乗り越えた後の交流にもつながる」と前を向いた。

 イタリア選手団が10日に来訪する仙台市は、ワクチン接種済みで陰性証明を持ったウガンダ選手2人の感染が判明した事案を気に掛ける。

 外部と遮断された「バブル」に感染者が入った場合、クラスター(感染者集団)化するリスクと対策を庁内で改めて確認。専門家の指示を仰ぎながら選手の動線を再点検し、滞在先のホテルでは食事の座席を当初の「円形」から互いに向き合わない「教室型」に変更した。

 「ここ数日、本当に緊張感がある」と市スポーツ振興課の職員。「やれることをやり、(トラブルに)柔軟に対応していく」と気を引き締めた。

 石巻市も、事前検査をパスした選手が陽性に転じる事態を懸念する。東京五輪・パラ推進室は「当初は『これだけ国が対応していれば大丈夫』と思っていた」と振り返り、「混乱を回避するには保健所や滞在先との連携が鍵を握る」と神経をとがらせる。

 白石市は五輪終盤の7月下旬から、パラ競技団を招く加美町は8月からの対応となる。同市は「現時点で想定しない事態も起こり得る。『後半戦』を前向きに捉え、先行事例から対策を学びたい」と構える。

 五輪・パラの事前合宿を巡り、県内では2018年11月時点で9市町が誘致を表明したが、コロナ対策などの負担増、相手国チームの予選敗退などで5市町に減った。

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