東北新幹線、臨時で「夜行」 東京五輪の観客を未明まで輸送

仙台市内を走行するはやぶさ

 JR東日本は、7月下旬に宮城県利府町の宮城スタジアムで開催される東京五輪男女サッカー競技の観客を輸送するため、試合開催日の翌日未明にかけ、東北新幹線に臨時列車を走らせる。東北新幹線の「夜行」は初めてとみられる。
(編集局コンテンツセンター・藤沢和久)

 東京五輪男女サッカー競技の試合終了後に運転する臨時列車は、男女の1次リーグがある7月21、24、27、28日の深夜から翌日未明にかけて下り1本、上り2本。男子準々決勝がある31日は下り1本、上り3本運転する。

 このうち31日の上り1本を除き、延べ下り5本、上り10本は、終点への到着が翌日午前0時を過ぎる。

 車両はいずれも「はやぶさ」用のE5系10両編成で、グリーンとグランクラスを除く普通車8両を利用できる。全て自由席で、総席数は642席。特急券は乗車日の1カ月前から購入できる。

 新幹線は列車が遅れた時を除き、午前6時から翌日午前0時の間しか営業していない。JRによると、夜間は線路や車両のメンテナンスに充てているという。

 少なくとも1987年以降、東北新幹線で午前0~6時に臨時列車が走るのは初めて。東日本では2002年の日韓W杯に合わせた上越新幹線の新潟発東京行きのみだという。担当者は「五輪組織委の要請を受け、検討した」と説明する。

騒音に配慮、仙台-東京は3時間35分

 新幹線の騒音基準は、午前0~6時の運行を想定していない。環境省によると、JRの問い合わせを受け、十分配慮するよう求めたという。

 今回の列車は午前0時以降、大宮―盛岡間で最高時速160キロ(通常320キロ)、東京―大宮間で70キロ(通常130キロ)と普段の半分程度に落とす。

 最も遅い午前0時45分仙台発のやまびこ422号は、在来線並みの最高時速100キロに抑えた。午前4時20分に東京着と始発電車の時間帯に合わせたこともあり、所要は日中の2倍近い3時間35分かかる。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、五輪自体の開催を危ぶむ声や、無観客開催を模索する動きもある。JRの担当者は「観客を入れて競技が開催されたことを前提に計画している」と説明し、東北初の夜行新幹線が実現するかどうかは不透明な情勢だ。

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