(7)夏芝の針の光や休館日/津川 絵理子(1968年~)

 休館日は博物館や美術館でしょうか。敷地に併設された芝生では来館者がのんびりと憩います。しかし、芝生も本日はお休み。立ち入りもできず、遠巻きに見るだけかもしれません。その芝の葉先は針のようで、陽(ひ)を受けて光り輝いています。芝は人のために整備され、よくよく鑑賞されることもありません。しかし、いつもと違った人間のいない環境で、踏まれることのない夏芝がぎらぎらと光っているのです。それは夏芝の生命感でしょう。句集『夜の水平線』より。
(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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