(8)江戸の頃光りし星を見てビール/狩野 敏也(1929~2019年)

 宇宙のはるか彼方(かなた)の星の光が、地球の私たちに届くまでには長い時間がかかる。ふと今輝いている光は江戸期に発したものだろうかと思う。壮大な宇宙のロマンに重ねて、江戸の世へと想(おも)いをはせる。たっぷり汗を流して働いた後のお酒は、今も昔も庶民の楽しい憩いのひととき。居酒屋でのにぎやかな様子も目に浮かぶ。当時はどんな肴(さかな)や話題を楽しんでいたのだろうか。今宵(こよい)は縁台で星を眺めて、江戸の人たちと乾杯しようか。句集『万余の夢』より。
(永瀬十悟)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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