河北春秋(7/11):倉庫は物の保管場所で、水道やガスは付いて…

 倉庫は物の保管場所で、水道やガスは付いていない。倉庫で暮らすとしたら、どうすれば健康で快適に過ごせるのか。仙台市宮城野区の美術クラブ「アトリエサタチ」を主宰する佐立るり子さん(47)はアトリエに通う子どもたちと一緒にそのことを考えている▼アトリエは6年前に開設した。子どもが絵や粘土を自由に楽しむほか、畑で野菜を育てて料理する。今春、拠点を仙台東郵便局近くの倉庫に移したのを機に、倉庫で過ごす工夫をするプログラムを始めた▼築約50年の倉庫は屋根も壁もトタン製。夏は暑く、冬は寒い。水はホースで引き、使用量の料金を計算して支払う。調理はオイル缶で作った「ロケットストーブ」で小枝を燃やし、パンなどを焼いて食べる▼今夏は雨水をためる天水桶(てんすいおけ)やソーラーシステムを設置するほか、冬に備え、羊毛フェルト作りにも挑戦。モンゴルの遊牧民住居ゲルのように室内を囲って保温するのに使う。佐立さんは「活動を通じ、子どもの日常の視点を広げたい」と話す▼アトリエで大切にするのが自分で考えること。佐立さんは原発事故やコロナ禍でその重要性を再認識したという。「自分で判断して行動できる子、自分が生きたいように生きる子になってほしい」。そう願い、トタンの倉庫で模索を続ける。(2021・7・11)

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