(11)一匹のまづ一本のくもの糸/佐川 盟子(1962年~)

 朝露にぬれるクモの巣は美しく、私はその精巧さについ見とれてしまう。作者が非凡なのはそれがどうやってできたのかまで考えていること。立派なクモの巣ができるまでの作業や時間を思う。さかのぼれば「一匹」の「一本」からはじまっていると認識する。それはまた人生の本質でもある。最初から完成しているものなどはない。全てはまず「一人」の「一歩」からはじまる。平易な漢字とイ音の繰り返しが小気味よい。句集『火を放つ』より。(永瀬十悟)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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