(14)サルビヤを咲かせ老後の無計画/菖蒲 あや(1924~2005年)
超高齢化社会といわれる現在、老後への不安は皆少なからず持っている。介護や終活なども頭をよぎる。作者は貧しい幼少期だったが、俳句に出合い<路地に生れ路地に育ちし祭髪>など、下町の生活を詩情豊かに詠んだ…
関連リンク
- ・(13)飼へぬかもしれぬ金魚を掬ひけり/鶴岡 加苗(1974年~)
- ・(12)ところどころ「ラヴ」と聞こえし夏念仏/工藤 玲音(1994年~)
- ・(11)一匹のまづ一本のくもの糸/佐川 盟子(1962年~)
- ・(10)耳飾り花火は遠くまたたけり/細谷 喨々(1948年~)
- ・(9)玉葱の皮や歯ブラシの水を切る/一力 五郎(1902~1947年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。