社説(7/17):仙台市長選あす告示/山積する課題 活発な論戦を

 任期満了に伴う仙台市長選はあす告示され、8月1日に投開票が行われる。再選を目指す現職の郡和子氏と、新人で元衆院議員の加納三代氏による争いとなる公算が大きい。
 事前の盛り上がりに欠けたまま選挙戦に突入することになりそうだ。投票率の低下が早くも懸念される。だが、いまだに収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染への対応をはじめ、市政が抱える課題は少なくない。活発な政策論争を期待したい。
 前哨戦が低調に推移した要因の一つとして、各党が事実上、郡氏に相乗りする構図となったことが挙げられる。
 前回、対立候補を擁立した自民党は、今回も擁立を模索した。市議が立候補に動いたものの、郡氏を評価する声があったこともあり、党市連は一枚岩になれなかった。
 市議が断念したことを受けて、前回の市長選に立候補した加納氏が、現職との一騎打ちの場合に選挙に出ると表明した。
 選挙戦の争点の一つがコロナ対応だ。
 河北新報社が実施した市政に関する市民意識調査では、優先的に取り組むべき施策は「ワクチン接種の加速化」が最も多く、「入院病床の確保」「飲食店などの感染防止対策」「検査の拡大」「雇用確保や貧困対策」が続いた。
 コロナ禍は既に医療や福祉、地域経済などに深刻な影響を与えている。仙台では感染者が再び増加傾向にあり、インド由来のデルタ株への不安も大きい。喫緊の課題にどう対処するかを明確に示してほしい。
 一連のコロナ対応を含め、「現市政への評価」も争点となる。
 市民意識調査では、評価できる政策として「子育て支援・少子化対策」がトップで、次いで「震災復興」だった。一方、評価できない政策は「地域経済・雇用創出」「行財政改革」「医療・福祉」などに分散した。
 仙台市の人口は社会増が継続しているものの、2027年の109万9000をピークに減少に転じると予測されている。そうした中で、子育て支援のより一層の充実は欠かせない。いじめ対策を含めた教育や、社会的孤立の防止、高齢化対策なども含めた幅広い問題についての論戦も期待したい。
 東北の中核都市として何を果たすべきか、そのために求められるまちづくりはどうあるべきかといった中長期的な視点に立った都市像も示してもらいたい。
 前職が再選を果たした13年の選挙は投票率が30・11%と過去最低だった。今回は期間が一部重なった東京五輪に関心が向きかねない。だが、コロナ下に巡ってきた選択機会に、候補者の訴えを吟味した上で1票を投じる意味は重い。有権者の市政に参加する意識も問われることになる。

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