河北抄(7/17):仙台圏のベッドタウン、宮城県利府町で1日…

 仙台圏のベッドタウン、宮城県利府町で1日、町文化交流センターが開館し、翌2日には東北屈指の大型商業施設がオープンした。この20年で人口が6000ほど増えた町の勢いが伝わってくる。

 華やぐ一角から少し離れた町の公園に1両の電気機関車(EL)がある。町はこのELを撤去する方針を示し、町民ら有志が保存を訴えて動きだした。

 ELは1950年代半ばにJR仙山線で行われた交流電化試験の試作機で、4両のうち唯一残る。試験で得られた技術は鉄道の高速化に寄与し、64年10月1日開業の東海道新幹線は、9日後に迫る東京五輪開幕にどうにか間に合った。東北線や東北の幹線の電化も順調に進んだ。

 立派な産業遺産だが、公園には来歴を伝える看板がない。町も町民もファンも価値を十分たたえていただろうか。有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)が含まれ、劣化も深刻なELの課題を踏まえ、保存への知恵を皆で出し合いたい。

 町には新幹線の車両基地もあり、鉄道をテーマに将来像を描ける。歴史の重みが伸びゆく町をより輝かせるはずだ。

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