震災後初めての海水浴客 気仙沼の大谷海岸、11年ぶり遊泳可に

東日本大震災後、初めてオープンした大谷海水浴場。波しぶきを浴びる子どもたちの歓声が響いた=17日午前10時10分ごろ、気仙沼市本吉町
震災後初のオープンとなった大谷海水浴場

 東日本大震災の津波で被災した宮城県気仙沼市本吉町の大谷海水浴場が17日、震災後初めて開設され、続々と海水浴客が訪れた。
 海岸約2キロのうち震災前とほぼ同じ約300メートルが遊泳区間となった。カラフルなシートやパラソルが並び、波と戯れる海水浴客の歓声が11年ぶりに広がった。
 仙台市から長男(5)や夫と訪れた会社員高橋理恵さん(46)は「幼い頃に訪れ、美しいと感じた大谷の海を、子どもにも見せたかった。11年ぶりと聞いてうれしい」とほほ笑んだ。
 大谷海岸は震災後、砂浜を埋める形の防潮堤計画に住民が反発し、国や県が計画を見直した。海岸の管轄を林野庁から国土交通省に変更。内陸側で海抜9・8メートルにかさ上げした国道が防潮堤を兼ねる「兼用堤」を築くことで砂浜が維持された。2018年1月に着工、3年半で整備を終えた。
 東京大生産技術研究所の加藤孝明教授(地域安全システム)は「住民の信念に基づき、行政の縦割りを超えて計画を見直した希少な例」と評価。「安全性だけでなく地域の持続性を考慮した復興の形は、合意形成の過程も含め今後のモデルケースになる」と話す。
 大谷海水浴場は環境省の「快水浴場百選」に選ばれ、震災前は多い年で20万人以上が訪れた。今季は来月22日まで開設される。
 17日は陸前高田市の高田松原海水浴場でも11年ぶりに海開きがあった。

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