廃業旅館をシェアハウスに 福島・楢葉町が移住者誘致拠点

移住者向けのシェアハウスに改修される旧旅館

 福島県楢葉町は、町内の廃業した旅館を改修し、移住希望者向けのシェアハウスを整備する。東京電力福島第1原発事故で避難した住民の帰還が頭打ちとなる中、町での暮らしを気軽に体験できる施設を整え、移住者を呼び込みたい考えだ。

 シェアハウスとして活用するのは、JR常磐線木戸駅近くにある旧柏屋旅館。今年秋ごろに改修を始め、来年春のオープンを目指す。9日にあった町議会臨時会で建物などを取得する議案が可決された。

 シェアハウスには、数カ月以上の中期滞在者向けに5部屋、短期滞在者向け2部屋を設ける計画。中期滞在は朝食付きで月3万5000円程度、短期滞在は2食付きで1泊4500円前後を想定する。

 食堂では地元産食材を使った食事を提供するほか、食事時間以外は、仕事場などとして利用できるコワーキングスペースとして貸し出す。利用者や地元住民らが交流、情報交換する場としても活用する。

 町内に暮らす町民は現在、原発事故前の約6割にとどまる。2015年9月の避難指示解除以降、避難先からの住民帰還のペースは年々鈍化している。地域コミュニティーの維持を目指し、町は町外からの移住者獲得に力を入れる方針で、シェアハウスを関連施策の拠点にする意向だ。

 町内には元々、賃貸物件が少ない上、東日本大震災と原発事故後は復興作業に従事する人が増えたために家賃相場が上がっているという。町は本格移住に向けた「お試し移住」用として比較的安価な滞在施設を整備することにした。

 運営方法などは今後検討する。町政策企画課の担当者は「新型コロナウイルス禍もあり、地方移住の機運が高まっている。さまざまな住宅、滞在ニーズに対応しながら、町の活性化につながる人が集まる施設を目指したい」と話す。

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