東北楽天 石井監督と小山コーチが見る後半戦投打の鍵は?

 東北楽天は41勝36敗11分けのパ・リーグ2位で前半戦を終えた。ここまでの戦いぶりを振り返り、8季ぶりのリーグ優勝、日本一に向けた後半戦のポイントを探った。

今季抑えに復帰し、リーグトップの23セーブを挙げる松井

疲労考慮、無理ない運用

 投手陣の運用に「石井カラー」が強くにじんだ。疲労を考慮し、無理のないやりくりを貫いている。
 オリックスに首位を猛追された6月後半の先発ローテーション組み替えは顕著だ。開幕投手の涌井、チーム最多7勝を挙げていた早川の出場選手登録を相次いで抹消。5月下旬に2軍で再調整させた岸に続き、球の精度が落ちた2人にリフレッシュ期間を与えた。
 指揮官にとって想定外の展開だったわけではない。開幕前から岸、涌井の両ベテラン、ルーキーの早川には無理をさせない方針を繰り返し口にしてきた。
 チームの先発防御率はリーグ5位の4・05とはいえ、クオリティースタート(6回以上で自責点3以下)率は、オリックスに次ぐ2位タイの48・9%。先発陣のアクシデントは田中将が右ふくらはぎ痛で開幕に出遅れたことくらいで、一定のゲームメーク力を発揮させることができた。小山投手コーチは「思ったより大きなけが人も出ず、おおよその計算通り、ここまではうまく来た」と総括する。
 中継ぎ陣はさらに盤石だ。3連投はさせない方針を堅持。安楽の奮闘もあって、酒居、宋家豪の両セットアッパーに適度な休みを与えられている。今季3度の3連投があった抑えの松井も防御率0・66でリーグ最多の23セーブ。六回終了までリードする展開では33勝3分け2敗と隙がない。
 「欲を言えば、ビハインドで登板する投手をもう少し強くしたい」と小山投手コーチ。主に若手の役回りだが、昨季の勝ちパターンを担った牧田とブセニッツが7月に昇格したことで層が厚くなった。僅差で追う展開を増やせれば、さらに勝機は広がるだろう。

勝負強さを発揮し、リーグ最多の66打点をたたき出す島内

指名打者のやりくり課題

 打線は「つなぎの攻撃」を掲げ、中軸を担う浅村、島内ら経験豊富な選手がけん引した。近年の低迷から復活した岡島も加わった上位打線は機能した一方、下位打線は起爆剤と期待される指名打者が定まらないなど課題が多い。
 2~5番に並ぶ鈴木大、浅村、島内、岡島が得点源だ。出塁率3割4分以上の4選手が好機をつくって生還したのは計165得点。チーム得点339(リーグ4位)の半分近い数字だ。勝負強く、チーム打点324(同4位)のうち180をたたき出した。1番小深田も粘り強い打撃で得点に絡む。
 岡島はシーズン途中に外野の定位置を奪取し、リーグ2位の打率3割3分5厘を誇る。石井監督は「打つだけでなく、守備でもガッツあるプレーでチームにいい影響を与えている」と信頼を寄せる。
 指名打者のやりくりには苦慮している。「長打のある選手を6番あたりに置くのがベスト」(石井監督)と構想するが、ディクソン、カスティーヨの新外国人は振るわず、若手の横尾や内田は結果が続かなかった。現在はベテラン銀次、捕手でパンチ力のある田中貴が両外国人と枠を争う。
 小技の精度も課題だ。犠打の成功率は7割8分9厘でリーグ最低。11日の西武戦は同点で迎えた七回無死二塁から、辰己、山崎剛が連続で送りバントを決められなかった。石井監督は「後半戦はもっと熾烈(しれつ)な戦いになってくる。しっかり決める能力をつけないといけない」と語る。
 残塁658はリーグ最多で、同2位のソフトバンクより67も多い。得点のチャンスは築けている証しであるだけに、作戦も駆使して走者をかえす確率を高めることが後半戦の鍵になる。

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