デスク日誌(7/22):五輪記録映画

 1964年に開かれた東京五輪の公式記録映画「東京オリンピック」は翌65年に公開され、当時の配給収入の最高額を記録した。
 総監督の任に就いた市川崑さんの手法は異色だった。スポーツに筋書きはないはずなのに、複数の脚本家を起用して脚本を書かせ、それを基に撮った。
 完成した作品は物議を醸した。試写を見た河野一郎五輪担当相は「ちっとも分からん」「記録性を全く無視したひどい映画」などと酷評した。
 「芸術か、記録か」の論争を巻き起こしたが、36年のドイツ・ベルリン五輪を撮ったレニ・リーフェンシュタール監督の「民族の祭典」「美の祭典」とともに芸術性が評価されている。
 2度目の東京五輪が、あす開幕する。新型コロナウイルスで開催が1年延期され、しかも東京は緊急事態宣言下で、無観客での開催となる。
 公式映画の監督を務めるのは、国内外で評価が高い河瀬直美さん。映画は、コロナと向き合い、翻弄(ほんろう)され続けた大会関係者やアスリートたちの姿をどう捉えるのか。市川作品とは趣が違い、記録性が前面に出るかもしれない。
(論説委員長 宮川宏)

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