河北春秋(7/24):「オリンピックをカラーで見たい カラーで…

 「オリンピックをカラーで見たい カラーで見せたい」。1964年の東京五輪でヒットしたカラーテレビの広告。当時は白黒の普及率が9割近く。メーカーの願望が込められていたという▼五輪で広告界は沸き立った。化粧品大手の「MAKE-UP TOKYO」など東京を冠した広告が世間を風靡(ふうび)した。『キャッチフレーズの戦後史』(深川英雄著)に「東京がそれだけ国際化したことの表れでもあった」とある▼57年後。沸き立つムードは全くない。最高位スポンサーのトヨタ自動車が五輪に関するテレビCMの放送を見送った。役員の「いろんなことが理解されない五輪になりつつある」との感想は言い得て妙。トップの開会式不参加も多かった。本来なら企業イメージのアップにつながるはずの五輪が、消費者の反発を招きかねない火種になってしまった▼「自宅で家族と楽しみたい」と経団連会長が言ったように、きょうもテレビ前で応援しようか。わが家のテレビはごく普通の液晶だが、ブラウン管と比べれば画質は申し分ない▼57年前のウイスキーのコピーが今に当てはまる。「みんな、山を見る オレ、川を見る みんな、東京に集まる オレ、旅に出る テレビで観(み)る トリス飲む」。オレ、旅は無理だけど飲むことにはしよう。(2021・7・24) 

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