「内水氾濫」に要警戒 マップで危険箇所の確認を

タクシーのバンパーの高さまで冠水したJR仙台駅周辺=2019年10月13日午前0時15分ごろ、仙台市青葉区中央1丁目
道路が冠水して湖のような光景となったJR仙台駅周辺=2019年10月13日午前0時10分ごろ、仙台市青葉区

 近年増加しているゲリラ豪雨や台風に伴う大雨では、都市部を中心に雨水の処理が追いつかず地表にあふれる「内水氾濫」が起きる恐れがあります。2019年の台風19号では、JR仙台駅前が冠水して湖のような光景が広がりました。仙台市がウェブで公開している「内水ハザードマップ」や「浸水履歴マップ」を確認しておきましょう。
(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

 内水氾濫とは、市街地に降った雨が排水し切れずにあふれることです。川を流れる水が堤防を越えるなどしてあふれる外水氾濫と区別しています。

 短時間に大量の雨が降ることで、下水道などの排水施設の能力を超えたり、川などの排水先の水位が高くてポンプで排水できなくなったりして起きます。

 雨は山林や田畑に降れば徐々に地中に染み込みますが、コンクリートに覆われた都市部では浸透しにくいため、内水氾濫が起こりやすくなります。特に地下鉄駅や地下街、地下室、道路のアンダーパスなどで危険性が高まります。

 外水氾濫(洪水)と比べて、雨の降り始めから被害が起きるまでの時間が短いのが特徴です。川から離れた地域でも被害が発生することに注意が必要です。

 坂道が川のような流れになっていたり、マンホールから水が噴き出したりしていて、避難所へ向かうことが難しい場合があります。仙台市下水道計画課の担当者は「洪水と比べ、浸水の深さは浅くなる。無理に屋外へ避難するより、頑丈な建物の2階以上へ移動する『垂直避難』が安全な場合が多い」と話します。

 仙台市の「内水ハザードマップ」は、過去50年間で最大級の大雨となった2019年10月の台風19号(東日本台風)を基に想定しています。

 19号は1時間に63ミリの大雨が続き、総降雨量は382ミリに達しました。市内の約1800戸が床上・床下浸水し、その大半が内水氾濫が原因でした。

 この時と同じ雨が区域全体に降った場合の浸水状況をシミュレーションしています。浸水する深さを(1)5~20センチ(2)20~45センチ(3)45センチ以上―に色分けして地図に表しています。

 雨の降り方や土地の状況によっては、想定を超える浸水や想定と異なる地域での浸水はありえます。目安として活用するのがいいでしょう。

 「浸水履歴マップ」は2001年4月から20年12月までに発生した浸水のうち、市民の通報や市職員のパトロールで把握した情報を基に製作しています。床上浸水を赤い升、床下浸水を青い升、道路冠水を黄色い升で地図に表しています。

 二つのマップは、市のウェブサイト「せんだいくらしのマップ」で確認できます。内水ハザードマップは市のホームページで区ごとのPDFファイル版も公開されています。自宅や職場、通勤通学路といった生活圏の状況を確認しておくことが大事です。

 二つのマップから、浸水の危険性が高そうな17地区をピックアップしてみます。

[青葉区]青葉町、上愛子、JR仙台駅西口、高松・幸町、宮町
[宮城野区]岩切、白鳥・高砂、仙石・福住・田子、JR仙台駅東口、日の出町・扇町
[若林区]遠見塚、若林・古城
[太白区]東郡山・八本松、谷地田東・谷地田西・郡山7丁目・郡山8丁目、四郎丸、長町南
[泉区]八乙女中央

 市はこのうち13地区について25年度までに雨水幹線を整備するなどの浸水対策を進める方針を掲げています。

「せんだいくらしのマップ」

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