【更新】「線状降水帯」発生メカニズムと対処方法は? 気象庁、今年から速報開始

線状降水帯のメカニズム

 大雨のニュースで「線状降水帯」という言葉を耳にすることが増えました。気象庁は今年から、避難が必要な状況になっている場合に発生情報を速報するようになりました。線状降水帯とは何か、発生したらどう行動すればいいのかまとめました。
(編集局コンテンツセンター・藤沢和久)

鹿児島県で線状降水帯が発生した時の「雨雲の動き」(気象庁提供)

「寿命」は長くて1時間

 線状降水帯の正体は、ずばり積乱雲です。発生状況や形状によって「入道雲」「雷雲」「かなとこ雲」などと呼ばれ、夕立のような強い雨を降らせる特徴があります。一つ一つの雲は降水によって衰え、長くても1時間程度で「寿命」を迎えます。
 この積乱雲が連続して発生し、上空の風の影響で帯のように連なると線状降水帯になります。
 主に(1)暖かく湿った空気が地表近くに継続して流れ込む(2)前線などの影響で上昇気流が起こり、次々と積乱雲が発達する(3)風で一方向に流され、雨が降っている地域に新たな雲がどんどん補充される―というメカニズムで形成されます。バケツをひっくり返したような激しい雨が数時間続くこともあり、土砂災害や洪水につながりかねません。
 気象庁は「顕著な大雨に関する気象情報」として6月17日から、線状降水帯の発生に関する速報を出しています。500平方キロ以上の範囲で直前の3時間に100ミリ以上の雨が降っているといった条件を満たした場合に「宮城県西部」など地域ごとに発表します。
 情報は気象庁ホームページの「雨雲の動き」で確認することができます。線状降水帯が雨を降らせている領域が、赤丸で囲まれて表示されるようになっています。
 気象庁によると、線状降水帯の発生速報を発表する基準は「(避難指示に相当する)警戒レベル4相当以上の状況」です。速報が出された時には既に激しい雨が降り続き、危険な状態になっている可能性があります。

これまでに計4例発表

 速報が始まってから1カ月で東京、鳥取、島根、鹿児島、沖縄各都県で計4例が発表されました。このうち沖縄北部地方の名護市では、6月29日午前2時40分までの3時間に159・5ミリの雨を観測しました。
 雨が強くなってきたら気象庁からの速報をただ待つのではなく、自分の住む市町村などから出される情報も確認し、周囲の人と声を掛け合いながら早めに避難することが大事です。浸水などで避難が難しい場合は2階以上で、がけと反対側の部屋に垂直避難も検討する必要があります。
 線状降水帯を予報するのは「現時点では困難」(気象庁)と考えられます。台風などと比べて局地的な現象であることや、予報の根拠となる地表の水蒸気量の観測地点が少ないことなどが背景です。ただ研究自体は進んでおり、いつか「線状降水帯発生予報」が出される日が来るかもしれません。

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