環境都市実現へ担い手育成重要 「シンプル&スローライフの会」代表 柳沼真理氏<コロナ後の仙台市政に提言>

 仙台市長選(8月1日投開票)は選挙戦の折り返しを迎えた。目下の重要争点は喫緊の新型コロナウイルス対策だが、収束後を見据えたまちづくりの論戦も期待される。ポストコロナの仙台はどこへ向かうべきなのか。各分野の有識者に聞いた。

 -身近な自然を教材に体験プログラムを作り、仙台市内の保育園や小学校の総合学習で教えている。

 「ヘチマやアサガオを育てて夏の日差しを和らげる『緑のカーテン』を作ったり、目を凝らして土の中の生き物を見てみたりしている。人間は自然の中で生かされていると、かみ砕いて教えている。授業後、『家で緑のカーテンを作ってみた』『扇風機に冷たいタオルを掛けて涼んだ』と感想が届き、感心させられる」

 「国連の持続可能な開発目標『SDGs』の担い手を育てる場は学校だ。子どもを見ていると、問題点を見つけ、それをどう解決するか、さまざまな教科で学んでいる。次世代への環境教育の必要性を感じる」

 -新型コロナウイルス感染症が流行し、人々の環境意識は何か変わったか。

 「在宅時間が増え、電気や水の使い方など、ささいなことを見直す人が多くなったと思う。関わっている保育園は感染を防ぐため、砂場で遊んだ道具を毎回水洗いするようになったが、水道を流しっ放しにするのではなく、バケツを五つ並べて順番に汚れを落とし、節水を心掛けている」

 「感染リスクを避けるため屋外キャンプの人気が高まったように、屋外で季節を感じながら遊ぶスタイルが今後のスタンダードになるかもしれない。人々が自然に触れる機会が増えたことは、コロナがもたらしたプラス面と言える」

 -市内の環境団体の現状をどう見る。

 「多くの団体が活動しているが、以前のような勢いを感じない。毎年開かれる環境社会実験の企画コンペも、15年前は10団体ほどが応募し環境問題を連携して解決しようという熱量があったが、最近は応募が2、3団体にとどまる。メンバーが高齢化する一方、後に続く環境NPOなどが育っていない印象がある」

 「私が仙台に移住した34年前は『脱スパイクタイヤ運動』のさなか。みんなが加害者で、被害者でもあるため、協力してきれいな空気にするという大きなムーブメントだった。仙台にはそういう運動が起きるポテンシャル(潜在能力)がある。コロナが収束し、余裕が生まれれば環境問題にも改めて目が向き、行動する人が増えるのではないかと期待している」
(聞き手は報道部・島形桜)

 やぎぬま・まり 東京都出身。東京学芸大卒。都内で小学校教諭として勤務し、1987年仙台市に移住した。2004年、環境団体「シンプル&スローライフの会」を設立。独自の環境学習プログラムを構築し、市内の保育園や小学校で講師を務める。64歳。

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