日本の絵本、韓国でじわり浸透 子どもの成長描く物語が共感呼ぶ

韓国語に翻訳された日本の絵本

 日本の絵本が韓国語に翻訳され、韓国国内で広く親しまれている。東北ゆかりの作品も出版が相次ぐ。駐仙台韓国総領事館(仙台市青葉区)は絵本を介して両国間の交流を進めようと現在、オンライン行事を開催している。

 韓国語版が出版された主な日本の絵本は表の通り。ソウル市の国立子ども青少年図書館には約3900作品が所蔵されている。

 同館や日本の国立国会図書館国際子ども図書館(東京)などによると、韓国での出版は1990年代初めに始まった。サッカー・ワールドカップ日韓大会や「韓流ブーム」で日韓交流が活発化した2000年代に入り、急激に出版数が増えたという。

 両国の絵本事情に詳しい武蔵野美術大非常勤講師の申明浩さん(62)は「日常の出来事を通じて子どもが成長する日本の絵本のストーリーが共感を集めた。ドスン(韓国語でクン)やガタンゴトン(トルコン)など絵本での擬態語の多用も共通し、違和感なく受け入れられてきた」と話す。

 東北関連では、青森県三戸町出身の故馬場のぼるさん作「11ぴきのねこ」シリーズや、秋田魁新報記者でもあった斎藤隆介の「モチモチの木」、山形県高畠町出身の浜田広介の「りゅうのめのなみだ」、宮城県大和町出身の彫刻家、故佐藤忠良さんが挿絵を描いた「木」などが翻訳出版されている。

 仙台在住の作家筒井頼子さんの「はじめてのおつかい」を幼少期に読んだという東北大工学部2年朴秦輝さん(20)は「日本の絵本だと全く知らなかったが、絵が美しく何度も何度も読み返した」と振り返る。

 駐仙台韓国総領事館は6月から、絵本の作家と研究者によるオンラインでの講演や対談を一般公開している。8月7日、9月11日の回は参加枠が残りわずか。連絡先は総領事館022(221)2753。

<韓国で出版された主な日本の絵本(作・絵)>
ぐりとぐら(中川李枝子・大村百合子)
がたんごとんがたんごとん(安西水丸)
あかちゃんの くるひ(いわさきちひろ)
はじめてのおつかい(筒井頼子・林明子)
おしいれのぼうけん(古田足日・田畑精一)
100万回生きたねこ(佐野洋子)
りんごがドスーン(多田ヒロシ)
おつきさまこんばんは(林明子)
11ぴきのねこ(馬場のぼる)
モチモチの木(斎藤隆介・滝平二郎)
りゅうのめのなみだ(浜田広介・いわさきちひろ)
木(木島始・佐藤忠良)

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