「親子感染」を覚悟で自宅療養 子どもが陽性、家族に大きな負担

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くいわき市の児童施設で発生した計50人のクラスター(感染者集団)が、子どもが感染した際の課題を浮き彫りにしている。子どもだけでは入院が難しい上に病床が逼迫(ひっぱく)しているため、多くの保護者が自身の感染を覚悟して自宅で看病している。福島県内ではこれまでも10歳未満の子どもの感染は多数あったが、家庭に大きな負担がかかる構図は変わっていない。

 同市の児童施設クラスターは、7月30日に従事者1人の感染が分かり、市が施設の関係者約100人のPCR検査を実施。現時点で児童46人、従事者4人の陽性が判明している。

 市保健所によると、感染した児童は大半が自宅療養だ。「現実問題として親子感染を覚悟した対応をせざるを得ない」との状況にあり、市は医師会と協力し各家庭に薬や食料を届けるなどの緊急支援を開始した。

 児童は感染しても症状が軽微なケースが多く、単独での入院が実際には難しい事情もある。入院調整を担う県は、防護対策を取った上で保護者に同じ病室に入院してもらうのを基本に進めてきたが、病床数が逼迫する状況では隔離が可能な場合に自宅療養を勧めることも多いという。

 県内の10歳未満の感染者数の推移はグラフの通り。8月は4日時点で既に「第4波」の5月と並び過去最多となった。ワクチン接種が進んでいない子育て世代の感染は今後も増加が予想されるが、支援の手だては少ない。

 看病の末に両親とも感染してしまった場合、子どもをどうするかという課題もあるが、どの自治体も家庭任せなのが実情だ。郡山市保健所は「できるだけ親族の助けを借りる」、福島市保健所は「ケース・バイ・ケースとしか言いようがない」と言葉を濁す。

 県対策本部は、仮に周囲に頼れる親族や知人がいない場合の最後の手段として児童相談所での一時預かりを想定している。担当者は「個別に最善の対処を考えるが、もしもの時にどうするかは各家庭で相談しておいてほしい」と話す。

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