時短要請下の仙台七夕 「県外客怖い」「客足読めない」戸惑う飲食店

 新型コロナウイルスの影響下、仙台七夕まつりが2年ぶりに開催されている。今年はコロナ対策で仙台市全域の酒類提供店などに出された午後9時までの時短営業要請の真っただ中。開幕前から新規感染者が急増し、本来なら飲食店の書き入れ時であるはずの「夏の風物詩」に戸惑いが広がる。

まつり中日、「昼飲み」でにぎわったものの、夜にはすっかり客足が途絶えた=7日午後8時15分ごろ、仙台市青葉区のぼんてん漁港中央2丁目店

 まつり中日の7日午後8時20分、青葉区の七夕飾りメイン通りに近い居酒屋「ぼんてん漁港中央2丁目店」。最後の1組が店を出ると、時短に伴う午後9時の閉店を待たず客の姿が消えた。

 従来のまつりは午前0時まで客足が絶えなかった。日中はほぼ満席だったとはいえ、予想外の光景にぼんてんグループ(青葉区)の安部昭彦社長(61)が思わずこぼす。「平日の方が忙しいぐらい。人の流れが全く読めない。不安だ」

 街は平時のにぎわいには程遠い。東北最大の歓楽街・国分町も午後10時には人通りが減り、客引きの姿が目に付く。文化横丁では老舗中華料理店「八仙」の店主引地雄一朗さん(55)が早々に帰路に就いた。「県外客に怖さもある。まつりはあった方がいいけど歯がゆさをみんな感じている」

 今回の時短要請では、県独自制度の認証店になれば午後9時以降の営業ができる。市内では4日までに663店が認証されたが、時短営業を選ぶ店は多い。

 居酒屋4店舗を抱える「金市朗」の渥美幸洋社長(51)は「感染者が増えだすと来客数が見込めず、時短で協力金をもらった方がいい。県外客が多く来る中でスタッフの安全も考えた」と説明する。

割り増し商品券「今じゃない」

 「仙台七夕が始まった感じがしない」と語るのは、エスペランスの泉田智行社長(46)。経営する青葉区一番町のフレンチレストラン「ラ・ぺ」も認証店だが時短を続ける。例年なら浴衣姿の女性や歓楽街に繰り出す男性で夕方からにぎわうが、今年はほぼ開店休業状態。「時短で離れた客が戻ってきたらまた時短の繰り返しだ」と嘆く。

 時短に応じる別の認証店の男性役員は、市の補助で近く発売される割り増し商品券に首をかしげる。「ありがたい話だが、今じゃない。時短要請と客寄せ、一体何がしたいのか」

 午後11時すぎの仙台駅西口。数は少ないが、営業中の店は若者で混み合う。タクシーを止めて休憩中の50代男性運転手がぼやく。「人はいつもより多いが、どこから来たか分からない。乗ってほしいけど、乗ってほしくないような…」

河北新報のメルマガ登録はこちら
新型コロナ関連

企画特集

先頭に戻る