どう継承? 杜の都の夏の風物詩 「七夕師」の育成望む声も

 8日に幕を閉じた仙台七夕まつり。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、感染防止対策を取りながら2年ぶりの開催にこぎ着けた。来年以降はコロナ禍前の規模を目指すが、経営不振や空き店舗の増加で、まつりを支える「仙台商人」の足元は揺らぐ。「『七夕師』を育てて」「若い世代の知恵を」。杜の都の夏の風物詩をどう継承するか、関係者は思いを巡らす。

長引くコロナ禍も受け、中心部の商店街に空き店舗が増えている=8日午前11時35分ごろ、仙台市青葉区一番町3丁目

 協賛会実行委員会笹飾り・行事部の山口哲男部長(71)は、異例の縮小開催を「2年続けて中止すれば再開は難しくなる。飾りに物足りない部分があったかもしれないが、まずは開催できたことで来年に弾みがつく」と受け止める。

 例年なら参加店舗が300本ほどの豪華な大型飾りで競い合う青葉区のアーケード街。今年は4分の1程度の約80本に減っただけでなく、商店街ごとの掲出で簡素な意匠が目立った。

 和紙販売などで七夕文化の継承に取り組む「文具のキクチ」(仙台市青葉区)の菊地和男社長(69)は会社を通じ「『この程度の飾りなら出さなくていい』となり、まつり自体がなくなりかねない」などとコメントした。

 活性化策として望むのが「七夕師」の育成だ。青森ねぶたの「ねぶた師」に倣った個性豊かな制作者を育てるため「まつりを若手アーティストのデビューの場に」と提言する。

 商店街は苦境にある。中心部6商店街の空き店舗は年々増加。仙台商工会議所の1階路面店調査では、2010年の13カ所が今年5月は29カ所に倍増した。

 まつりをコロナ禍前の規模に戻せるのか。商店街には不安が漂う。ある役員は「この2年で多くの店舗は仙台七夕にかける予算を大きく減らしてしまうのではないか」と懸念する。

 青竹1本に吹き流し五つの一式で30万~50万円。近年は中央資本のチェーン店進出も相次ぎ、まつりに手間やコストをかけない店舗が増えてきた。

 一番町4丁目で商店を営む女性7人による「仙台七夕伝統七飾りを守る会」代表の伊藤倫子さん(80)は「飾り作りは手間暇がかかり、多くの店が業者に頼む。業者のために開催しているような気もしてしまう。ささやかなミニ飾りでも店ごとに作って伝統をつないでほしい」と願う。

 市中心部商店街活性化協議会の山崎浩之会長(73)は「担い手不足や費用の負担といった問題点を解決し伝統を絶やさないため、若い世代が知恵を絞ってほしい。仙台七夕は、商人だけでなく市民の文化でもある」と期待を込めた。

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