日用品店再生、高齢者の憩いの場残った トレーニングで若者も利用

なんでもやで談笑する買い物帰りの住民たち
閉店後、「交流センター」となったなんでもや

 運営資金不足で2019年1月に休業した宮城県丸森町大張の住民共同出資店「大張物産センターなんでもや」の店舗が、住民交流拠点に生まれ変わった。地元の会社社長が施設を買い取り、高齢者らに開放。気軽に立ち寄り、会話を楽しんでもらう場にした。トレーニングマシンが置かれ、若い世代も利用する。地区に日用品店はなくなったが、住民が憩う光景は残った。(角田支局・田村賢心)

地元の会社社長が協力、施設買い取り

 なんでもやは休業後、住民の代表者会議で存続させるかどうかが検討され、昨年6月に閉店が決まった。一方で店は地区の中心部にあるため、「住民が集まる場として、施設の活用を続けるべきだ」との意見でまとまった。

 地区の土木・解体業「美紀工業」の佐久間美紀男社長(62)が協力に名乗りを上げ、店舗や土地を所有主のみやぎ仙南農協から取得した。「高齢者が互いに寄り添える場所は必要。家にずっといるより、外で伸び伸びとおしゃべりしてほしいと思った」と振り返る。

 昨年11月に開所し、「大張交流センターなんでもや」と改称。今年2月から一角に美紀工業が事務所を置くが、大半は住民のためのスペースだ。

 週1回、生協の販売車がなんでもや前に止まり、買い物をした住民が施設内を休憩に使う。談笑していた高齢女性たちは「店の休業後は寂しかった。触れ合いの場が復活してうれしい」「来たら誰かに会えて、地域の情報を得られる」と語る。「新型コロナウイルスが収まったら、友人をたくさん誘いたい」との声も上がる。

 トレーニングマシンは地区の若手有志が今年3月ごろにそろえた。高齢者もルームランナーなどで汗を流す。

 なんでもやの振興会が住民主体で発足しており、催しなどでの活用を美紀工業と話し合う。佐久間社長は「コロナ収束後に芋煮やバーベキューをしようと若者たちが計画している。なんでもやの敷地は広いので協力したい」と話している。

[大張物産センターなんでもや]丸森町大張地区に日用品店がなくなったため、地元の商工会支部が中心となって2003年12月、農協ストアの空き店舗を借りて出店した。地区住民からの出資金や協力金が原資。高齢者の見守りを兼ね、移動販売車で地区内の各戸を回った。しかし、東京電力福島第1原発事故の影響で地区外からの来店者が減少。運営経費も膨らみ、19年1月から休業に入った。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る