技能実習生は一部の中小企業にとって労働力として欠かせないのが実情だ。厚生労働省によると、昨年10月末時点で外国人労働者約172万人のうち約40万人を占める。新型コロナウイルス下でも前年比で4・8%増えた。その技能実習制度に、米国をはじめ世界が向ける視線は厳しい。
米国務省は7月、世界各国の人身売買に関する2021年版の報告書を発表した。日本の技能実習制度に関しては強制労働による人権侵害の温床になっていると糾弾。中国新疆ウイグル自治区の強制労働を問題視する米国は同じ視点で、日本政府の姿勢が実習生への強制労働を許す事態につながっていると改善を求めた。指摘は的を射ている。
技能実習生を巡る問題の一つに、妊娠や出産を巡る不幸な事件がある。発覚によって帰国させられることを恐れ、乳児の遺体を遺棄するなどして罪に問われている。
7月には熊本地裁で、ベトナム人技能実習生が死体遺棄罪で懲役8月(執行猶予3年)の有罪判決を受けた。判決によると、昨年11月に自宅で死産した双子の遺体を段ボール箱に入れ、自室の棚に放置した。
この実習生は日本の法律が妊娠・出産を理由に不利益な扱いを禁じていることを知らず、公判で「出産がばれたら、すぐ帰国になると思った」と述べたという。
厚労省によると、17年11月から20年12月までの約3年間で、妊娠や出産で実習継続が困難となったという受け入れ先企業などからの届け出は637件あった。ただ、監督機関の外国人技能実習機構が実習生の意思を直接確認する義務はないため、専門家からは「妊娠事例はもっと多いのではないか」との指摘もある。
事件の背景には、出国時に抱えた「借金」などの返済のために強制帰国を恐れることがある。不幸な事件をこれ以上起こさないためには、実習生が法に保護されていることを研修などで周知徹底させることや、母国語で相談できる環境整備などが必要だ。
賃金未払いなどのトラブルも絶えない。実習生の行方不明者も多く、19年に機構が把握したのは約8800人。米国は報告書で「技能が習得できない仕事への配置」「移動や会話の制限、パスポートの没収」といった問題点を指摘。虐待や暴行などの申し立てが犯罪として捜査されないことにも苦言を呈している。
17年11月に施行された技能実習適正化法により、脅迫による実習強制や受け入れ企業によるパスポートの保管などは禁止された。だが、一部の悪質な企業により、そうした人権侵害は今も行われている。少子高齢化が進む中、技能実習制度を維持していくためには、実習生、受け入れ企業の双方がメリットを得られなければならない。そのためには、状況改善へ向けた国の積極的な関与が求められる。
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