<いぎなり仙台>まちかどブラ昭和 喜代乃湯(宮城野区) 心安らぐ社交の場 かつては1000人が「さっぱり」

広々とした大浴場で開放感に浸る入浴客
1974年ごろの喜代乃湯。85年に改装され、現在の姿になった

 仙台市中心部の住宅街に、レトロな雰囲気の鉄筋4階のビルがある。階段を上り、青いのれんをくぐる。広い休憩室ではダイヤル式の公衆電話やブラウン管のテレビがまだ現役。喜代乃湯番頭の佐々木幸蔵さん(77)が毎日、カウンターから客を出迎える。

 1928(昭和3)年創業。2代目の佐々木さんは子どもの頃から家業を見詰めてきた。当時周辺は風呂のない家が多く、連日1000人の入浴客でにぎわった。一風呂浴びた後は、脱衣所で世間話の花が咲いた。銭湯は庶民の憩いの場でもあった。

 風呂付き住宅が増えると、人々の足は遠のいた。現在の入浴客は1日100人ほど。「でもね、出張中のビジネスマンや深夜バス利用者がわざわざ足を運んでくれる。お客さまがいる限り、死ぬまで続けたい」

 入り口ののれんには「コミュニティーセントウ」と書かれている。なぜ、こんな表記を?
 「銭湯は体を洗うだけでなく、人々が触れ合える社交の場。新たな出会いを見つけてほしいと思って名付けました」

 湯気の向こうにある裸の付き合いを求め、人々は今日ものれんをくぐる。(池田旭)

[メモ]営業は火曜から土曜までが午後4~10時、日曜は午後2~10時。月曜定休。中学生以上は440円、小学生140円、未就学児80円。60台分の無料駐車場がある。仙台市宮城野区小田原1の8の5。連絡先は022(256)5749。

河北新報のメルマガ登録はこちら
いぎなり仙台

 記者が気になる仙台圏のお薦めスポットやグルメ、話題をテーマごとに紹介するシリーズ。東北一の歓楽街・国分町での体験など、感じるままにルポします。

秋季高校野球東北大会 勝ち上がり▶


企画特集

先頭に戻る