特産マイタケ、存続に光 太陽光企業が事業承継

生産したマイタケやキクラゲを袋詰めする従業員

 太陽光発電のプロジェクトウサミ(宮城県大和町)は、経営者の高齢化で事業継続の課題に直面していたマイタケ生産・販売の「七つ森ふもと舞茸(まいたけ)」(同)の事業を承継した。マイタケは大和町の特産品の一つで、ウサミは「ブランド力が強い地元の特産品をなくしてはいけない」との思いから決断した。両社と取引のある七十七銀行が契約成立を支えた。

 ふもと舞茸は1994年、農事組合法人「麓上(ふもとかみ)舞茸生産組合」として地元の生産者らが設立。2020年には国際水準の食品安全認証「ASIAGAP(アジアギャップ)」を取得した。

 東日本大震災後は、東京電力福島第1原発事故の影響で栽培に使うおが粉の原材料となる木材が取り寄せられず、生産態勢の回復に苦労した。経営者夫婦は70歳を超え、後継者問題にも直面していた。

 事業承継支援などコンサルティングに力を入れる七十七銀は、組合に状況や課題をヒアリングして事業譲渡先を検討。昨年秋、ウサミに打診し、今年5月の承継にこぎ着けた。農事組合法人の第三者への事業承継支援で初の成約となった。

 株式会社化したふもと舞茸の社長に就いたウサミの宇佐美美由紀社長は「業歴がほぼ同じで、夫婦二人三脚でやってきた事業だった。商品力もあり、力添えできればと思った」と理由を語る。

 ピーク時の生産量は年間約80トンあったが、労働力不足の問題などがあり、現在は約20トン。受注に追い付いていない状況だ。計画では、燃料油を使わない生産体制など、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」や省エネを考慮した生産効率の改善を図り、3~5年で元の生産量回復を目指す。

 宇佐美社長は「ビジネスとして拡大することが私の使命。今後、雇用や商品のプロモーションなどでも、地域の役に立てると思う」と力を込める。

 七十七銀は両社のフィナンシャルアドバイザーを務める。同行吉岡支店の高橋理支店長は「承継により障害者を含めた地元の雇用継続にもつながった。新しい農業の形を作っていけると思う」と期待を込めた。

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