国産ビール第1号の再現に挑む 福島の醸造家、量産化へ始動

醸造所で「富国麦酒」再現に挑む大谷さん

 明治期の福島県白河市で造られた国産ビール第1号の再現に、西郷村の醸造家大谷辰夫さん(60)が挑んでいる。歴史資料をひもといて製法を再現した試作品は、品評会で上位入賞を果たした。新たな地域の特産品として「幻のビール」の量産化を目指す。

 復活した「富国麦酒」は、キリンビールの前身「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」が1888(明治21)年に横浜で製造。翌年には白河町(現白河市)の大槻佐右衛門が横浜から技師を招き、東北でも醸造が始まった。

 国会図書館収蔵の「東北酒史」に原料の配合割合や製法が記されており、県歴史資料館の学芸員と試行錯誤を続けてきた。佐右衛門の子孫を訪ねて商標の使用許可も得た。

 3度目の挑戦で仕込んだ100リットルは330ミリリットル瓶で300本分。低温長期熟成発酵の無ろ過ラガービールは濃厚な味わいで「ビールのどぶろく」と評する声もある。今年2月の「ジャパン・グレートビア・アワーズ2021」では部門銀賞に輝いた。

 目下の課題はラベルの復元だ。史料写真はモノクロで色彩が不明なため、現存する瓶を探し求めている。大谷さんは「文明開化の時代に思いをはせながらグラスを傾けたい」と語る。

 新型コロナウイルス感染の収束後の本格販売を目指すが、予約すれば大谷さん経営のブルワリーで試飲できる。連絡先はハイランドポートブルワリー0248(25)7461。

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