「菅首相では勝てない」東北の議員ら焦燥感 自民総裁選の動き本格化

国会議事堂

 任期満了に伴う自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)に向けた動きが本格化し始めた。再選を目指す菅義偉首相の対抗軸として岸田文雄前政調会長が立候補を表明し、選挙戦は確実になった。菅首相の続投を支持する二階俊博幹事長ら派閥の領袖(りょうしゅう)に、10月21日の任期が迫る衆院の中堅、若手議員から「菅首相では勝てない」と異論が噴出。激戦区に挑む東北の議員らに焦燥感が漂う。

 26日午後、国会内で記者会見に臨んだ岸田氏は菅政権をばっさり切り捨てた。

 「政治の根幹である国民の信頼が崩れている。民主主義を守るため出馬する」

 約100人の報道陣が詰め掛けた会場の後方で、様子を見守った岸田派事務総長の根本匠元厚生労働相(衆院福島2区)は「今、国民の生活には危機感がある」と断言。前回に続き岸田氏を支える意向を示した。

 ちょうど1年前の前回は7派閥中5派閥が菅首相を推し、岸田氏は破れた。今回も二階氏をはじめ、細田派出身の安倍晋三前首相が菅首相支持を表明。ただ、党の「顔」を頼りに当選してきた中堅、若手議員を中心に反発が強まっている。

 前回、菅首相に投票した東北選出の議員は「菅首相支持で派閥をまとめるのは難しいし、仮にそうなっても従えない。『菅・二階体制』で衆院選に臨めば下野もあり得る」と漏らす。

 22日投開票の横浜市長選では、菅首相が支援した小此木八郎前国家公安委員長が立憲民主党の推薦候補に惨敗した。「(野党に)風は吹いていないが、静かに負ける。有権者はいろいろな思いを抱えている」と衆院選と重ね合わせる。

 総裁選は国会議員票と党員党友票の各383票で争われる。竹下派の東北選出議員は現時点で菅首相の再選を予測しつつ、「地方票によっては番狂わせもある」とみる。

 党改革を訴えた小泉純一郎元首相が2001年、本命とみられた橋本龍太郎元首相らを破ったときのように、地方票の流れに議員票が傾く可能性もあるからだ。

 その上で「岸田氏が総裁になってもあまり代わり映えしないが、菅首相の続投よりはまし。選挙が弱い議員ほど派閥の意向に背き、岸田氏と書くだろう」と解説した。

 総裁選には下村博文政調会長や高市早苗前総務相も意欲を示す。

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