「任期満了による総選挙」不透明に 菅首相退陣で政治日程流動化

国会議事堂

 菅義偉首相が3日に辞意を表明したことで、29日に投開票が行われる自民党総裁選で新たな総裁が選ばれることになった。その後の臨時国会召集など政治日程を考慮すると、菅首相が見込んだ10月5日公示、17日投開票の任期満了による総選挙は不透明な情勢だ。事実、現憲法下であった26回の総選挙のうち25回は解散によって行われ、任期満了は1976年だけだった。

 衆院議員の任期は原則4年と定められているが、これまでの平均在任期間は1002日に過ぎない。任期満了を待たずに衆院が解散されるためで、約2年9カ月ごとに総選挙が行われている計算だ。

 在任期間の最短は1952年10月1日に当選し、半年に満たない53年3月14日に解散した165日。任期満了を除く最長は2005年9月11日当選、09年7月21日解散の1410日だった。

 現職の衆院議員は17年10月22日に当選した。在任期間はこの9月1日で1411日に達し、歴代最長を更新した。

 衆院議員の任期に影響する解散を決める権限(解散権)は首相の専権事項とされる。解散すれば40日以内に総選挙が行われることになる「伝家の宝刀」で、それゆえ首相の政治手腕が試されるバロメーターと位置付けられてきた。

 戦後唯一の任期満了による総選挙だった76年は、三木武夫首相が自民党内の反発から解散権を行使することができなかった。総選挙ではロッキード事件に対する批判などから、自民は249議席と初めて過半数を割り込んだ。

 09年は麻生太郎首相がリーマン・ショックに伴う追加経済対策を理由に、早期の解散を見送った。しかし定額給付金を巡る発言のぶれに自身の失言も重なり内閣支持率が急落。追い込まれるようにして解散した結果、総選挙で自民は初めて衆院第1党の座を失った。

 今回は29日に新しい自民党総裁が決まった後、臨時国会を召集した上で菅内閣の総辞職、首相指名などが行われる見通し。組閣や所信表明演説も含め政治日程はタイトで、臨時国会の行方や新首相に委ねられる解散タイミングの見極めが焦点となる。

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