岩手県花巻市が旧料亭「まん福」の取得を巡り、7000万円の税金を無駄にすることになった。1935(昭和10)年建築の老舗料亭で、閉店後の2013年に建物を無償で寄付された。ところが、耐震工事や消防設備に億単位の費用がかかることが判明。改修に着手したものの、未使用のまま今月から解体する。
(北上支局・野仲敏勝)
旧まん福は、花巻市中心部のマルカンビルなどを望む高台に立ち、往時の花柳界をしのばせる。結婚式にも使われ市民に親しまれていたが、10年に閉店した。
「文化的価値が高く中心街の活性化につながる」。市民団体の請願や陳情があり、市は13年、集会場とする方針で建物の寄付を受けた。土地代5800万円を支払い、屋根のふき替えなど改修費に約3000万円をかけた。
ところが、市の負担はこれだけでは済まないことが14年に発覚した。集会場として使う場合、建築基準法に適合させるため、耐震工事や消防設備に最大2億円の追加費用がかかる。
市によると、取得当時、追加費用の検討は内部であまりされていなかったという。集会所にする方針は断念した。
店舗として使うなら設備投資が少なくなり、追加費用は最大1億2000万円に下がる。市は19年、民間事業者にアイデアを募ったが、1億円を出してまで活用する方法が見つからず、解体が決まった。
誤算はさらに続く。木造2階延べ床面積1100平方メートルの建物は「銘木がふんだんに使われている」(11年の市文化財調査報告書)とされていた。解体後の古材を公売すれば、いくらか回収できると期待した。
調査を進めると、天井の屋久杉、床の間のコクタンとシタンは、別の木の表面に貼り合わせた安価な「単板(たんぱん)貼り」だったことが判明。一部は公売するものの、多額の回収は見込めなくなった。
8月27日に入札した解体工事の費用は約4000万円。取得後の改修費約3000万円と合わせ、7000万円の税金が無駄となることが確定した。
解体を控えた同25日、旧まん福取得後の14年に就任した上田東一市長が記者会見で総括した。
「前市政を引き継いだ責任ある立場だが、取得する際の調査が十分でなかったというのが正直な感想だ」
旧まん福は11月末にはさら地になる。土地取得費5800万円分の活用はしたいが、崖地の上にあり、大きな建物を建てるには擁壁工事が必要だ。苦い教訓に加え、跡地利用という課題も積み残されている。
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