病院職員の子ども250人早退させる 市教委「差別助長させかねず」と陳謝 秋田・由利本荘

由利組合総合病院(資料写真)

 由利組合総合病院(秋田県由利本荘市)の職員が新型コロナウイルスに感染したことを受け、由利本荘市教委が市内の小中学校に通う、同病院職員の子ども約250人を一斉に早退させていたことが29日、分かった。医療関係者は「親の職業で区別されてはならない」と指摘。市教委の担当者は「(医療関係者に対する)コロナ差別を助長させかねない事案だった。関係者に申し訳なく思う」と陳謝した。近く病院に謝罪する。

 市教委はこれまで「同居家族がPCR検査の対象となった場合、子どもは自宅待機とする」とのガイドラインに沿い、濃厚接触者の児童・生徒を早退させたことはあったが、同一職場の子どもをまとまって帰したことはなかったという。

 市教委によると、病院職員の感染が分かった25日午前、勤務する複数の保護者から「自分がPCR検査を受けるため、子どもを帰宅させてほしい」との連絡が学校に寄せられた。市教委は同病院勤務の保護者に連絡し、許可を得られた子どもを早退させるよう学校に通知した。

 感染急増を受け、市教委は26、27日を休校とする措置を取っており、保護者からは「児童・生徒を一斉に下校させるべきだったのではないか」との声が市教委に寄せられたという。

 市教委学校教育課の土倉新也課長は「子どもや保護者に不快な思いをさせる不適切な対応だった。今後ガイドラインの見直しも必要になる」と話した。

 こうした対応を受け、秋田県医師会の小玉弘之会長は、県教委に再発防止に努めるよう口頭で申し入れた。小玉会長によると、医療従事者を親に持つ子どもが給食の時間、席を離すよう教員に指示される事案もあった。

 小玉会長は「親の職業だけで区別するのはあり得ず、職業差別にもつながりかねない。特に医療従事者はコロナの最前線で戦っている。学校の感染対策として、市教委はまず地元の保健所や医師会に相談すべきだった」と話す。

 由利本荘保健所管内で感染者が急増しており、市教委は市内小中学校23校を臨時休校にしている。休校期間は31日まで延長した。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る