暴力団構成員減り「半グレ」台頭 宮城県暴排条例施行10年、根絶遠く

 宮城県暴力団排除条例が2011年に施行されてから10年となった。県内の暴力団勢力は施行後に6割以上減り、暴力団排除の機運醸成に一定の効果があったとみられる。一方で暴力団と似たグループが台頭しているという指摘もあり、根絶への道のりはなお遠い。

資金源細り、20年末で600人まで減少

 11年4月に施行された条例は公共工事契約から暴力団を排除し、事業者には金品の受け渡しを禁じている。違反者には県公安委員会が是正勧告し、正当な理由もなく応じない場合は事業者名などが公表される。

 県警によると、暴力団勢力は条例施行後に弱体化した。「構成員」と暴力団に協力する「準構成員」の総数は11年末時点で1600人だったが、20年末は600人に減少。全国的にも減少傾向が続く。

 暴力団のシノギ(資金源)が細ったのが原因だ。条例により暴力団は飲食店などに不当に金銭を求める「みかじめ料」の授受が難しくなり、多くの組員を抱えられなくなった。組員は銀行口座開設や不動産契約などができないといったデメリットも多く、カタギ(一般人)になる方がいいという風潮も広がった。

 暴力団排除の意識は事業者側にも浸透している。県暴力団追放推進センター(仙台市青葉区)への暴力団関連の相談件数は11年の342件から20年は1311件に増加。多くは属性照会で、契約相手が組員かどうかを事業者側が確認する動きが広がっていることがうかがえる。

 センターの田原一成専務理事は「もはや組員は普通の暮らしはできない。条例が暴力団との関係を拒む裏付けになり、民間事業者間でも暴力団を排除する機運が高まった」と強調する。

不良グループ、条例対象外で実態把握難しく

 一方、「半グレ」と呼ばれる不良グループが県内でも存在感を高めている。暴力団対策法(暴対法)や条例の対象とならない団体で、明確な組織性がなく実態把握が難しい。特殊詐欺といった犯罪への関与も指摘され、田原専務理事は「半グレから暴力団へ資金が流れている可能性もある」とみる。

 2月には仙台市内のコンビニ駐車場で「半グレ」とみられるグループ同士の乱闘事件があり、県警などは5、6月に計10人を逮捕。両グループにはそれぞれ別の暴力団の関与があったとみられる。

 組員の偽装離脱や事務所の代紋外しなどにより組織の潜在化も懸念される。県警暴力団対策課の幹部は「社会情勢の変化にも気を配りつつ、条例だけでなく暴対法も効果的に運用して排除活動を展開していく」と話す。

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