一力遼の一碁一会 「アマの大会」 規模や対象 千差万別

一力遼の一碁一会

これまでは囲碁のプロ棋士や棋戦について、さまざまな角度から紹介してきました。今回は視点を変え、数多くの大会があるアマの囲碁界を取り上げます。

 小、中学生を対象とした大会に「少年少女囲碁大会」があります。40年以上の歴史を持ち、かつて小学生の部を2年生で優勝した山下敬吾九段(43)や井山裕太棋聖(32)をはじめ、優勝者の多くが後にプロとして活躍しています。

 私も小学2年の時に、宮城県代表として全国大会に出たことがあります。入賞はできませんでしたが、各地から集まる子たちの熱気を体感できた貴重な経験でした。直後にプロ候補生の「院生」になり、大会には出られなくなったため、出場はこの1度だけでした。

 大会は個人戦だけでなく、団体戦もあります。小、中、高校生の団体戦は学校別の3人一組で行われるため、普段から一緒にいる仲間と出られるのが魅力と言えるでしょう。

 「アマ名人戦」は、プロのタイトル戦と似た形式の大会です。全国大会のトーナメントで優勝するとタイトル保持者と3番勝負を行い、先に2勝した方がアマ名人となります。優勝者のレベルは非常に高く、アマが出場できるプロの公式戦で棋士に勝つことも珍しくありません。

マの大会で最大の規模を誇るのが「宝酒造杯」です。新型コロナウイルスの流行で昨年と今年は中止になりましたが、おととしは全国13の会場で地区大会が開かれ、延べ1万人以上が参加する盛況ぶりでした。

 人気の理由は、「囲碁とお酒が楽しめる」というコンセプトです。20歳以上なら誰でも参加できる本大会は、主催者から提供される酒類の試飲ができるのが特徴で、それを楽しみに参加する愛好家も多いでしょう。また、居住地や勤務地に限らずどの地区大会にもエントリーでき、複数回出られることも大きな魅力です。

 さらに、参加者のレベルに応じて名人クラスから級位者クラスまで九つに細かく分かれているため、どんな棋力でも楽しむことができます。このように参加のハードルが低いため、人気の大会になりました。当面は難しいでしょうが、以前のような活気に満ちた大会が再開されることを願っています。
(囲碁棋士)

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