江戸後期の仙台の町並み鮮明に 地元出版社が「城下絵図」復刻

 仙台市宮城野区の出版社「風の時編集部」は、市博物館(青葉区)が所蔵する1789(寛政元)年ごろ作成の「仙台城下絵図」の復刻版を販売している。市内の街歩きに役立つ古絵図シリーズの第5弾で、江戸時代後期の城下の町並みや侍屋敷、寺院などが鮮明に描かれている。

1789(寛政元)年ごろ描かれた仙台城下絵図の復刻版

 復刻版は縦73センチ、横103センチ。折り畳むと12分の1の大きさで持ち運びやすくなる。原図を高解像度スキャナーで読み込んで作製した。約230年前に描かれたにもかかわらず「伊達式部殿」「片倉小十郎」など小さく書かれた家主の名前がはっきり読み取れる。

 城下に所狭しと並ぶ侍屋敷には、元家主の名前を朱色で書いた空き家が随所に見られる。絵図が描かれたのは「天明の大飢饉(ききん)」(1782~88年)直後。生活に困窮し、屋敷を引き払う家臣が多かった当時の状況を色濃く映し出している。

 南東端には仙台藩祖伊達政宗が一国一城令に背き、隠居のために築いた若林城(現・若林区)もある。編集部によると、現存する古絵図で若林城が描かれたものはかなり珍しいという。

 編集部は2016年から「仙台まちあるき」シリーズとして、古絵図の復刻版を順次発行している。江戸時代の絵図は1645(正保2)年の「奥州仙台城絵図」、1664(寛文4)年の「仙台城下絵図」に続き、三つ目となる。

 佐藤正実代表は「江戸時代に写真はなく、古絵図で唯一、仙台開府から400年間の街の変化を確かめられる。復刻版を気軽に手に取って街を歩き、仙台に興味を持つ人が増えてくれればいい」と期待している。

 1200部発行。1部1650円。金港堂本店(青葉区)など市内の書店や通販サイト「楽天市場」で販売中。連絡先は編集部022(295)9568。

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