純米酒「川口納豆」、粘り強い人気 異色コラボが「綿屋」と並ぶ銘柄に

「川口納豆」の出荷作業が続く金の井酒造=2日、栗原市一迫

 宮城県栗原市一迫の金の井酒造が、近隣の納豆製造販売会社、川口納豆が生産した酒米で仕込む特別純米酒「川口納豆」が今年も人気だ。販売9年目となる新酒の酒販店向け予約案内を8月21日に出したところ、1週間で完売した。9月1日に出荷が始まり、県内の「綿屋」銘柄を扱う酒販店などで取り扱っている。
 納豆菌は、酒造りに欠かせない微生物の天敵。仕込み時期に納豆を口にすることを禁止にする酒蔵があるほど敬遠される。造り酒屋と納豆メーカーの異色のコラボは2012年、川口納豆の門伝英慈社長が、自社農場で造る酒米を金の井酒造に売り込んで始まった。
 水と油のような業種の「ありえない組み合わせ」は1年目から話題を呼んだ。川口納豆の赤色の包装をそのまま酒瓶のラベルにあしらった斬新なデザインは、酒造業界、日本酒ファンの注目を集めた。ラベルがそのままトレーサビリティー(生産履歴)を表現しているため、国税局から高い評価を受けたという。

相乗効果はっきり

 金の井酒造の三浦幹典社長は、「ラベルだけでなく味もしっかりしているのでお客さんが離れない。綿屋に並ぶ酒蔵の看板銘柄になった」と説明する。
 異色のコラボは営業面でも相乗効果を生んだ。門伝社長は「日本酒販売が納豆の販路開拓につながった。川口納豆の顧客からは、金の井酒造の酒を求められる」と話す。
 今年は2種販売する。ササニシキで初めて仕込んだ酒はまろやかで飲み口の良い食中酒に仕上がり、ラベルにはひき割り納豆の黄色の包装を採用した。従来の赤ラベルは美山錦とひとめぼれを使い、滑らかで切れのある味わいが楽しめる。
 製造量は1800ミリリットル換算で黄ラベルが約1100本、赤ラベルが約2500本。価格はいずれも720ミリリットルが1650円、1800ミリリットルが3300円。

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