コロナ「第5波」に直面、東北大病院の今 半年以上入院の患者も

エクモを装着した重症患者を治療する東北大病院の医師と看護師(病院提供、写真の一部を加工しています)

 新型コロナウイルスの「第5波」で、宮城県は重症者の増加に直面している。治療の最前線に立つ東北大病院(仙台市青葉区)集中治療部副部長の志賀卓弥医師(43)は、河北新報社のオンライン取材に「治療は非常に長引く。半年を経ても入院が続く患者もいる」と実情を明かした。
(報道部・末永智弘)

 東北大病院は県内で感染が急拡大した8月下旬、重症者の受け入れ態勢を増強し、現在は約10人を治療している。「人工呼吸器や人工心肺装置『ECMO(エクモ)』を装着している人が大半。重症の中でも最重症の部類だ」と説明する。

 ベッド数が1160床に上る東北大病院でも、一般診療と並行して重症者を受け入れるのは十数人が限度という。

 重症者は、うつぶせ状態で肺の負担を減らす治療を受ける。人工呼吸器を装着した患者は自力でうつぶせになれず、看護師に体位交換してもらう。

 「肥満リスクによる重症者が多く、体重100キロ近い人がほとんど。5人がかりで体勢を変えている」。気管を傷つけないよう慎重さも求められる。

 さらに悪化するとエクモを装着する。「重症患者は集中治療室(ICU)に入ってから一般病棟への移行など退室まで短くて2週間、長いと数カ月かかる。治療の長期化で、県内で使用可能なエクモの台数は余裕のない状況にある」と危機感を抱く。

 重症者増による影響は、病院全体の治療態勢にも及ぶ。ICUでは通常、看護師1人で患者2人を受け持つが、コロナ対応では患者1人に看護師2人が必要となる。

 「一般診療でも高度な手術後はICUで1、2日、経過を見ることが多いが、コロナ対応にリソース(人員や設備など)を取られるため、手術の延期や中止が現に起きている。普段ならICUに搬送される救急患者の受け入れを断ることもある」という。

 感染力の強いデルタ株が主流となり、治療に当たるスタッフは依然、強いストレスを抱えている。「現在の重症者は30~50代が多く(リスクの高い)60代以上は減ったが、重症者の総数は今後も増える可能性がある。宮城の第5波がピークを越えても油断せず、感染対策をしっかり講じて過ごしてほしい」と訴える。

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