東京から陸前高田へ 23歳漁師、カキ養殖で独り立ち目指す

藤田さん(左)に教わりながらカキの養殖を学ぶ須田さん

 岩手県陸前高田市の広田湾で東京出身の若手漁師が独り立ちを目指して奮闘している。昨春、縁もゆかりもない陸前高田に移り住み、地元漁業者に弟子入り。専用の養殖いかだや船を譲り受けた。「経験を積んで一人前になりたい」と意欲をみなぎらせている。

 この漁師は須田大翔(ひろと)さん(23)。10日に新規就漁者を応援する市の「がんばる海の担い手支援事業」の補助金の授与式があり、225万円分の目録を受け取った。市が制度を設けた2010年度以降、最年少という。
 須田さんは授与式で「失敗の連続だが、周りの皆さんに指導してもらいながら自分を奮い立たせている。付加価値の高い広田湾産水産物を守り、漁業の発展に貢献したい」と力強く語った。
 海や自然に興味があり、1人でやりがいのある仕事がしたいと考えていた。大学4年だった19年「漁師の仕事がしたい」と東京であった漁業就業支援フェアに参加。会場で広田湾でカキ養殖を続ける藤田敦さん(56)と出会った。
 20年春に東京の大学を卒業すると陸前高田に移住。藤田さんの下で修業を始め、岩手県などが開設する漁業者養成機関「いわて水産アカデミー」に通い、漁業に必要な知識や資格を習得した。
 今年春に広田湾漁協の組合員となり、「一定の収入を早く得られるように」と藤田さんにカキの養殖いかだ9基と4・9トンの小型船を譲ってもらった。8月にいかだの使用権が漁協から認められた。
 須田さんは「作業はどれも大変だけど、カキが育っていく姿を見るとうれしい。周囲の期待に応えられるように頑張りたい」と決意を新たにする。
 陸前高田市は東日本大震災で甚大な被害を受け、漁業者の高齢者や担い手不足がより深刻になっている。藤田さんは「震災で漁業者はかなり減った。漁業は頑張れば頑張った分だけ成果が上がる。工夫を重ね、新たな浜の担い手になってほしい」とエールを送った。

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