大地震が噴火誘発「発生後10年ほど2~3倍」 東北大・西村教授が解析

2015年と18年に噴火警報が発令された蔵王山。火山活動の活発化は震災の影響とみられている=10日、火山湖「お釜」周辺

 大地震が発生すると火山噴火が誘発されるメカニズムを、東北大大学院理学研究科の西村太志教授(地震学・火山物理学)が明らかにした。大地震の影響で地殻が一定以上の膨張を示す火山では、地震発生後10年ほど噴火の発生数が2~3倍になるという。

 大地震と噴火に関し、マグニチュード(M)8クラスだった1707年の宝永地震の発生49日後に富士山が噴火したり、1990年のルソン島地震(M7・8)の約1年後に同島のピナトゥボ火山が大噴火するなど関連性が指摘されてきたが、誘発メカニズムは不明な点が多い。

 西村教授は76年以降に発生した地震と火山の観測データから、M6以上で噴火規模を示す火山爆発指数(VEI)2以上の中規模以上の噴火を対象に関連を調べた。

 その結果、大地震の揺れによって内部の力が解放されて一定以上に膨張した火山は、大地震発生後約10年間、噴火発生数が大地震前の2~3倍に増えた。噴火活動が長期間観測されなかった火山でも噴火が誘発されていた。

 膨張による気泡の成長でマグマが浮力を得たり、火道と呼ばれるマグマの通り道の閉塞(へいそく)が緩むなどしたためとみられる。大地震で「一定以上の膨張」を示す火山は世界で年間2、3カ所あるという。

 東日本大震災を引き起こした巨大地震では、ほぼ東北全域で「一定以上の膨張」が認められた。西村教授は、過去10年間に蔵王山(蔵王連峰)の火山活動が活発化したのも巨大地震による地殻膨張の影響と指摘。「大地震による火山周辺の膨張の大きさは観測データから算出できる。噴火が誘発されやすい火山が把握できるので、災害発生に備えられる」と話す。

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